8月のリップル相場と今後の見通し、リップル社の売り圧力やとアルトコインの弱含みで下落トレンドは継続

本記事では現在仮想通貨取引所でトレーダーを行う筆者が、日々リップルを含めて仮想通貨の市況をチェックする中で得た情報や今後の動きについて、シナリオ含めて解説していきたいと思います。

筆者は前職で3メガ系証券会社の外国為替のスポット、フォワードトレーディング、そしてEM通貨建(トルコリラ、南アフリカランド、インドルピー、ブラジルレアル等々)クレジットトレーディングを行なっており、世界経済の分析をしながら日々マーケットと対峙していました。そのためFXの見方の色が出ることもありますが、仮想通貨特有の特徴も含めて分析していきたいと思います。

※本記事の内容は9月2日執筆時点の情報となります。

目次

  1. 8月のリップル相場は?
  2. リップルが反転しない材料とは?
  3. リップルの反転材料はないのか?
  4. リップルのテクニカル分析
    4-1.チャートのポイントを確認
    4-2.オシレーターで過熱感をチェック
    4-3.ダイバージェンスで相場の動きを探る
    4-4.レジスタンスラインやサポートラインから次の目処をチェック
  5. 9月以降のリップルの相場展開は?

8月のリップル相場は?

8月のリップル相場は7月からの下落トレンドが継続しました。34円付近で月初スタートし、36円まで上昇するも、大きな下落トレンドに逆らうことができずに、二番天井の形となり失速し一時26円台まで下落する動きとなりました。月初から月末にかけての下落幅は20%超の下落となっており、下落が止まる様子はない動きとなっています。マーケットとしては反転する前に一旦の出来高を伴った急落が欲しいところではありますが、このようになだらかな下落が続くと、反転の兆しはまだ遠いともうかがえるチャートになっています。

リップルが反転しない材料とは?

リップルは、企業がこの技術を利用したり、応用したりする動きがニュースで日々見られるほど好材料が出ているようにも見えますが、リップル自体の下落は留まるところを知りません。

これだけ下落基調が継続している理由は色々考えられています。まず大きいリップル特有の材料として「リップル社の断続的なリップル売り」が足元の相場を作っていると言えるでしょう。厳密には、この売材料がマーケットで浸透しているというところから買いサイドのフローが集めにくくなり、需給を悪化させ、下落トレンドを作っているという流れの説明がつきやすいと言えます。このリップル社のリップル売りに対してリップル保有者が署名活動を現在行っており、売りを止めるための圧力を加えようとしています。現在2,500人以上が嘆願書に署名したとのことですが、このリップル社自体の当初からの計画通りでもあるため止まることはないでしょう。

ではこのリップル社の政策的な売りというのは一体どういう意味なのかを解説したいと思います。

リップル社はリップルを総供給量の半分を保有しており、そのほとんどをエスクローウォレットという口座で管理しています。そのうち、最大で毎月10億XRP(数十億円)を市場に販売可能で、販売先は金融機関(銀行)で60%超、取引所に30%超を販売しています。販売先が銀行や取引所である理由は、リップルそのものが「銀行間、金融機関や個人間の送金をより早めるためのトークン」として開発されたためです。そのため、このリップルを利用する決済プラットフォームを普及させるために販売先も金融機関に絞っているわけです。この大きな供給サイドの要因により需給が悪化し、リップルの価格の下落が引き起こされているとも言われています。第二四半期もリップル社は2億5000万ドル以上(約330億円以上)のリップルを販売しており、これだけリップル社が毎月市場にリップルを売り続けていると、価格下落圧力に大きく起因してしまうことは容易に想像がつくでしょう。

リップル保有者からすると、毎月数十億円の売りが入ると分かると追加で買い辛く、新規でリップルロングを作りにいくことは不安なところもあるため、よほどリップル好きでなければ他の通貨で勝負する投資家も多いのが現実です。そのため、リップルはこのように右肩下がりで下落基調が続いています。

またもう一つの理由としてはリップル特有の材料ではなく、仮想通貨全体におけるアルトコインの下落圧力が要因として考えられます。ドミナンス変化をチェックするとビットコインが現在時価総額の7割を占めており、急激に市場の占有率を増加させました。実は、現在の取引量はバブルであった2017年の秋から年末にかけての取引量を超える勢いで増加しています。しかし、取引量は増加しているものの、ビットコイン価格は当時の2分の1程度となっています。

この理由としては機関投資家の参入が挙げられます。機関投資家としては流動性の確保が生命線であり、流動性がないマーケットに参入することはできません。そのため、仮想通貨の中で最初にどの通貨を選択するか迫られた場合に、流動性の厚いビットコインを最初に選択する機関投資家が多いということが、ビットコイン一強の背景にあります。

仮想通貨の世界ではFXで米ドルが基軸通貨のように、ビットコインが基軸通貨で対BTCで取引が盛んに行われています。
ビットコインが強いトレンドが続いている限り、アルトコイン売り、ビットコイン買いというフローが入りやすい環境が継続するため、リップル売り、ビットコイン買いというフローも作り出されているということです。

リップルの反転材料はないのか?

ではリップルに反転材料はないかと解説します。結論から申し上げると足元ではそうした材料は見当たりません。上記で説明した嘆願書が万が一通り、一定の期間リップル社が毎月のエスクローウォレットからの解放をストップするようなニュースが出てくると、リップルはある程度持ち直すことが想定されます。リップル社自体も、価格の上昇がリップル自体にいい影響を与えることを把握しているため、できれば上昇して欲しいというのが本音かもしれません。しかしリップルの販売はリップル社の重要な施策でもあるため、ここにジレンマが生じています。

リップルはある程度リップル社が供給量をコントロールしていることもあるため、価格の操作は容易に行いやすいとも言えます。あまりにも急落するようなことがあった場合、リップル社から何かしらアクションがあることもシナリオの1つとして想定しておくことは必要でしょう。

リップルのテクニカル分析

以下ではリップルのテクニカル分析を行なっていきます。

チャートのポイントを確認

まず日足チャートから確認します。ポイントは4月下旬の安値であった赤色の水平線がポイントです。最初の緑の○印の位置である7月の下落時もこのラインが意識されていました。一度反発するも結局このラインをブレイクしたことで次の緑の○印のラインまで、ストップロスの売りを巻き込みながらつけています。

次のポイントは青色の○印です。その前の緑の○印を下にブレイクするかがポイントになりますが、一旦はある程度上の位置で耐えた格好となっています。現在数日間小さな値幅となりながら横ばいとなっており、次に動いた方向は重要な動き方となっています。

何日間も小さな値幅で横ばいとなった場合は両サイドともにポジションが積み上がっていることから、未決済建玉が増加していることは予想しやすいでしょう。そして小さなレンジを一旦どちらにブレイクすることで、一度ポジションを閉じる動きがその短期的な方向性を作り上げるパワーになるということです。2つ目の緑の○印と青色の○印にラインを引いたラインがサポートラインとして機能してくれるかが次のポイントとなります。

オシレーターで過熱感をチェック

次にオシレーターで売られ過ぎなのかどうかをチェックしていきましょう。RSI、ストキャスティクスRSI、CCI(コモディティチャネルインデックス)の3種類を用いてチェックします。

現在の位置を確認すると、まずストキャスティクスRSIは売られ過ぎの範囲に差し掛かっています。しかしまだ売られ過ぎの範囲に達していないため最終的な売り込まれ方はしていないとも言えるでしょう。RSIとCCIも同様にまだ売られ過ぎの範囲まで達していないため、まだ下値余地はあるとも言えます。このようにチャートでは「ここまで下落したからそろそろ反転するかも、、、」と思いやすいですが、案外テクニカル指標をチェックするとまだまだ下落余地があるということが判断できるため、引き続きチェックすることが必要でしょう。

仮想通貨投資に置いて、オシレーターのテクニカル指標はこの3つだけでも見ておけば十分です。仮想通貨は流動性が低いことから、売られたり買われたりするときのスピードがとても早い金融商品です。その動きが出始めるととことん行くところまでいってしまう相場展開となりオシレーターが全く役に立たない時が往々にしてあります。そのためオシレーターは参考程度で見るようにしましょう。

ダイバージェンスで相場の動きを探る

次にダイバージェンスという見方をご紹介します。ダイバージェンスとは、価格とオシレーター系のテクニカル指標(MACDやRSI等)の動き方が逆行する現象の事を意味しています。単純に言えば、トレンドが変化している動きと考えてください。トレンドの転換期にはこのダイバージェンスが起こることがあります。 トレーダーはこのダイバージェンスやオシレーターの位置、そしてチャート上の動き方からトレンドが転換するかを探っており、この判断の一つの材料となります。

では実際にリップルのチャートがどのようになっているのか確認しましょう。

上記のチャートで利用しているオシレーターはMACDとアルティメットオシレーター(究極のオシレーター)と呼ばれるものです。MACDは幅広い投資家に利用されているため見慣れている方も多いと思います。アルティメットオシレーターはダイバージェンスを発見するために使われることが多いため今回のチェックで利用しています。まずローソク足からご覧ください。ローソク足は下落基調が継続しているのは見ての通りですが、その間の同じ期間のMACDとアルティメットオシレーターを見ると、ローソク足とは逆に上昇しているのが視覚的に判断できます。この意味は「価格が下落はしているものの、センチメントは徐々に回復している」ということです。そのため後からセンチメントがローソク足に現れやすいことから、価格が上昇するのではないかという判断になります。これがダイバージェンスです。

レジスタンスラインやサポートラインから次の目処をチェック

最後に上昇した場合と下落した場合の目処をチェックしていきます。下記は1時間足の少し短期的な視点で見たXRPUSDのチャートです。

まず現在の形は三角保ち合いの状況となっています。緑の○印が二箇所ありますがこれがレジスタンスラインとサポートラインのポイントとなる位置です。ここをどちらかブレイクすることで相場が走りやすいと考えることができます。大事なことは、短期的な視野で見るときでも、現在の大きなトレンドが下落トレンドであることを頭に入れながら見ることです。つまり短期的には上にいったとしても、上の緑の○印の付近で止まりやすいと考えることができます。この上のラインをブレイクした場合は16日付近から引いたサポートラインとなっていた青色のラインが次の上値目処となります。対円では30円付近がターゲットとなるでしょう。

次に下落方向にブレイクした場合を考えます。下落し緑の○印がある青色のサポートラインをブレイクした場合、次の下値目処は29日につけた赤色の水平線までは到達すると推測できます。また、そこをブレイクすると15日につけた重要な水平線がサポートラインとなるでしょう。三角保ち合いの場合はブレイクした方向についていくのがセオリーであり、あまり無駄な感情はトレードに入れず淡々と行った方がいい成果が出やすいため心がけましょう。

9月以降のリップルの相場展開は?

最後にまとめとして9月のリップルの相場展開を考えていきましょう。リップル社の売り圧力や、仮想通貨市場全体におけるアルトコインの弱含みのトレンドはまだ変化の兆しがありません。一方でチャートではダイバージェンスが発生しているもののオシレーターはまだ売られ過ぎのラインではないことから、急な反転は期待しづらいという結論になります。そのため、下にブレイクした場合はついていくようなトレードはありですが、三角保ち合い上抜けで上にブレイクしたとしても、その時に大きな材料がない限り、ショートカバーの域を脱することはできないため、再度売られる展開を予想します。安全なトレードをするならば下落についていき、上方向へのトレードは我慢するスタイルがいいでしょう。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行に入行し、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。 【保有資格】証券アナリスト