負けない暗号資産投資のために。投資家が年初に取り組むべき4つのこと

※ このページには広告・PRが含まれています

今回は、暗号資産投資家が年初にすべきことについて、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 昨年のニュースとチャートを検証する
  2. トレードを一つ一つ振り返る
  3. トレードの課題をメモにまとめる
  4. 失敗の共通項を見つけて治療法を考える

2020年は暗号資産市場にとって重要な一年となりました。2017~18年のビットコイン・バブル崩壊から2019年にかけて暗号資産市場は冬の時期を過ごしましたが、2020年にようやく息を吹き返し、ビットコインも過去最高値を更新したことで安堵した既存の投資家も多いのではないでしょうか。

2020年に暗号資産取引所の口座開設者数も増加しており、初めてビットコイン投資に触れた個人投資家も増えている模様です。そうした方々の中には投資自体が未経験の方も多いかと思います。

この記事では、今年1年を通して負けにくい投資を実践して頂くために、投資家が年初に押さえておくべきポイントを整理しておきましょう。

①昨年のニュースとチャートを検証する

まずは昨年の暗号資産市場を通して、どのタイミングでどのようなニュースが生まれ、価格に影響してきたかを振り返りましょう。

値動きばかりを見ていると近視眼的になりがちです。特に暗号資産は日々の値動きが激しいため、どうしても短いスパンで判断してしまう傾向があります。

そのため年初に時間を設けて、昨年何が起きたかを振り返り、ニュースが与えるインパクトとポジションの偏りを予想し、実際のチャートと照らし合わせて見るといいでしょう。

2020年は規制の強化や、伝統的な金融機関が暗号資産市場に参入するなど、価格に影響する重大ニュースが出ていました。著名な投資家や上場企業がビットコイン投資を表明するなど、市場構造が激変したので、参考材料が盛り沢山となりました。

勉強するにはうってつけの年なので、時間があるときに「なぜこのような動きになったのか?」という点をしっかりと考え、様々な角度からチャートをチェックしてみてください。

②トレードを一つ一つ振り返る

次に、自分自身が行ったトレードをしっかりと振り返ってみましょう。

日々のトレードについて、勝ち負けにかかわらず自分自身のトレードをフィードバックしていない人は多いようです。負けたトレードを振り返るのは精神的には辛いものですが、なぜ負けたのか?ということを反省できずに放置していると同じ失敗を繰り返してしまいます。自分のトレードの根本的な問題点を考えてみましょう。

「エントリーのタイミングが悪かった」とか「損切りができなかった」といった反省は表面的で不十分です。さらに深く、「なぜそのタイミングでエントリーする理由となったのか?」「精神的にエントリーしたくなったから?」「自分の都合のいいように解釈して、納得させる理由を頭の中で作ってしまっていた」「なぜ、損切りを見送らせてしまったのか」と突き詰めることが大切です。

暗号資産のFX初心者がこのようなフィードバック行うと、自分自身のメンタルの弱さに気付かされることが多いでしょう。そこに気付けることが成長の第一歩です。

トレードで一番重要なことは、知識でも経験でもありません。人間が精神的に弱いことを認識し、自分が決めたルールに従って行動することです。客観的に自分自身を見て、含み損や含み益が膨らんだ状況でどのように行動したかを俯瞰して見ましょう。そのためにも、昨年行ったトレードの履歴をチェックしながら、当時の状況を振り返ることは非常に役立ちます。

③トレードの課題をメモにまとめる

トレードを振り返ったら、ミスの原因をメモに書き出してみましょう。一通り終えてみると、重複する内容に気づくと思います。それこそがトレードを妨げる精神的な癌なので、原因を突き止めた後は治療に専念するのみです。

腫瘍に気づかないままトレードを続行していれば、いずれ退場することになるでしょう。年初に悪いところを理解しておくことは、自分の資産を守るためにも重要です。

また、自分の欠点を認識しているベテラントレーダーでも同じミスを繰り返すことがあります。一度のフィードバックですべてが解決する訳ではないので、何度も繰り返し、自分で作成したメモを振り返るようにしましょう。

私にとって年初のフィードバックは、むしろ自分自身への戒めという意味合いが大きくなっています。欠点を敢えて見つめなおし、頭に入れるためのプロセスです。

暗号資産FXの初心者は特に、フィードバックをしてみると自分が嫌いになるくらい欠点がわんさか見つかるものです。最初のうちはそれでも問題ありませんので、現実から目を背けず、弱い個所を治す気持ちで取り組みましょう。

④失敗の共通項を見つけて治療法を考える

トレードの失敗の共通項をまとめたら、今度は治療法を考えてみましょう。本当にその方法で自分の課題を克服できるのか、解決策が本質的な問題点をクリアできるのか、時間をかけて考えてみてください。

メモした課題と解決策は、トレードをするときに見える場所に置いておくと効果的です。少しでも過ちを忘れてしまうと必ず同じミスを繰り返します。去年経験した過ちは絶対に繰り返さないという強い気持ちで、今年の相場に臨みましょう。

トレードで勝っても負けても、その都度「どのようにすればより利益が出せたのか?」、そして負けた場合は「なぜ損失が出てしまうのか?」という点を分析し、ロジックの修正が必要なのか、メンタルコントロールの問題なのかを見極めて、成長し続けましょう。これを今年1年繰り返すことができると、大きな差が生まれるため、1月のコラムとして執筆させて頂きました。一人でも多くの投資家が一年間を通して有意義な成果を上げることを祈っています。

The following two tabs change content below.

中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12