ミネベアミツミのESG・サステナビリティの取り組みは?配当推移も

ミネベアミツミは、ミネベアとミツミ電機が経営統合して誕生した会社で、世界でも高いシェアを持つ総合精密部品メーカーで、それぞれの会社が持っていた高い技術力を掛け合わせることでシナジー効果を生み出しています。ESGやサステナビリティに対しても積極的に取り組んでいるため、注目している方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ミネベアミツミのESGやサステナビリティの取り組み内容について詳しく解説します。ミネベアミツミの特徴を知りたい方、ESG投資を検討している方は、参考にしてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※本記事は2022年11月5日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. ミネベアミツミの特徴
  2. ミネベアミツミのESG・サステナビリティの取り組み
    2-1.E(環境)
    2-2.S(社会)
    2-3.G(ガバナンス)
    2-4.サステナビリティ
    2-5.ミネベアミツミのESG・サステナビリティに関する外部評価
  3. ミネベアミツミの業績・株価動向
  4. ミネベアミツミの配当推移
  5. まとめ

1 ミネベアミツミの特徴

ミネベアミツミは精密部品のメーカーです。例えば、コメ粒よりも小さなベアリング(回転をなめらかにする部品)など、高度な技術力によって、世界でも高いシェアを握っています。ミネベアミツミの主な事業領域は、以下の通り4つあります。

事業名 製品紹介
機械加工品事業 ・ボールベアリング
・ロッドエンドファスナー
・ピボットアッセンブリー
電子機器事業 ・モーター
・エレクトロニクスデバイス
ミツミ事業 ・半導体
・高周波部品
・カメラアクチュエーター
ユーシン事業 ・自動車部品
・ハンドル
・キーセットなど

ミツミ事業とユーシン事業は、それぞれ完全子会社化した会社名が使われています。ベアリングやモーター、アナログ半導体や自動車部品に至るまで、様々な精密部品を手がけているのが特徴です。

さらに、以下4つの製品においては執筆時点で世界トップシェアであり、特にミニチュアボールベアリングとステッピングモーターのサイズは、世界最小クラスを実現しています。また、海外生産比率は85%と高い割合で、27ヵ国95箇所の生産開発拠点を持つなど世界的なグローバル企業として知られています。

製品名 世界に占めるシェア
リチウムイオン電池用保護IC 80%
ミニチュアボールベアリング 60%
ステッピングモーター 40%
ハードディスク用ピボットアッセンブリー 80%

参照:ミネベアミツミ「3分で知るミネベアミツミ

2 ミネベアミツミのESG・サステナビリティの取り組み

ミネベアミツミは社会に貢献していく決意として、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献すること」との経営理念を掲げています。脱炭素など環境に配慮した経営に力を入れており、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)に対する具体的な取り組み内容は以下の通りです。

2-1 E(環境)

工場から発生するCo2や廃棄物などを最小限に抑える取り組みをミネベアミツミのグループ全体で強化しているほか、新素材などの独自開発した新たな製品を通じて、環境に貢献する取り組みも行っています。地球温暖化防止の取り組みとしては、事業所ごとに省エネルギー対策を進めることに加え、植樹活動に参加したり生ゴミのバイオガス化に努めたりしています。

また、資源を有効活用するため、製品を作るときに使われる鋼材や樹脂などの原材料を減らす取り組みも行っています。実際、2020年度には前年度と比較して7.8%、廃棄物量は15.65%減少するなどの結果も出しています。

さらに、ミネベアミツミでは工場の排水量を抑えるため、排水ゼロシステムを運用しています。基準値や削減量を数値で明確にすることで、Co2や排水、廃棄物がどれくらい進んでいるのかを定量的に示し、河川に流すときには排水が基準値のうちに収まるよう浄化を進めています。

このように、ミネベアミツミは工場からの廃棄物や排水を最大限抑えると共に、消費電力を抑える製品を開発することで、Co2の削減に取り組んでいます。

2-2 S(社会)

ミネベアミツミでは、下記4つの関わりを軸に、社会と関わることを意識しています。

  • お客様とのかかわり
  • 従業員とのかかわり
  • お取引先様とのかかわり
  • 地域社会・国際社会とのかかわり

ミネベアミツミは「お客様とのかかわり」として、品質のマネジメント体制を強化することで製品やサービスの安全性確保と事故の未然防止に努めています。製品については品質マネジメントシステム認証を取得しており、製品の品質向上に取り組んでいます。

また、「従業員とのかかわり」では、多様性を生かせる職場環境を作ることに努めています。例えば、働き方のグローバル化に対応する仕組みを構築し、世界に通用する人材の育成やノウハウの継承、また難民や貧困層に対する人事施策も進めるなど、時代の流れに柔軟に対応する姿勢を示しています。

一方、「お取引先様とのかかわり」としては、資材調達基本方針と呼ばれるルール作りを行うことで、取引先と健全なパートナーシップを築いています。また、取引先と公正な関係を築くことを目指し、下請け法について自主監査と下請け法の研修を実施しています。

「地域社会や国際社会とのかかわり」についても重要であると考えており、地域のニーズに合った社会貢献活動を実施するとともに、国際社会に対して教育や支援活動を提供しているのが特徴です。

2-3 G(ガバナンス)

ガバナンスとは企業統治を指す用語であり、会社のステークホルダー(利害関係者)にとってガバナンスが機能しているのかは重要なポイントです。ミネベアミツミにおけるガバナンスは、以下の3つの視点から構成されています。

  • コーポレートガバナンス
  • リスクマネジメント
  • コンプライアンス

「コーポレートガバナンス」は、株主の権利を確保することに努める取り組みです。株主に対して非財務情報などを平等にわかりやすく説明することを考え、主体的な情報配信に取り組んでいます。

また、「リスクマネジメント」では具体的なリスクを想定したリスク管理基本規約を定めることで、緊急時に迅速かつ的確に対応できるように努めています。従業員の情報セキュリティ意識をあげることに加え、国内外の主要な拠点にて緊急時に事業を継続できる準備や訓練を行っています。

「コンプライアンス」では、公正かつ適正で透明度の高い経営に努めることを意識し、行動規範や役員と従業員の行動方針を定めています。このような行動方針を定めることで、従業員一人ひとりがコンプライアンスの意識を持って取り組むことを定着させています。

2-4 サステナビリティ

ミネベアミツミでは、CSR(企業の社会的責任)の基本方針として、「信頼性が高く、エネルギー消費の少ない製品を安定的に供給し、広く普及させることを通じて、地球環境および人類の持続可能な発展に貢献する」ことを掲げています。

上記CSRの基本方針を達成するため、重要テーマごとに定めた2022年度目標と中期目標の達成に努めています。例えば、地球環境課題解決を重要テーマに定めた項目では、Co2排出量削減に向けて、以下の目標を定めて実行に移しています。

マテリアリティ 2022年度目標 中期目標
環境貢献型製品による世界のCo2排出量削減 製品によるCo2排出量削減貢献量230万トンを維持する。 製品によるCo2排出量削減貢献量230万トンを維持する。(2031年3月期)
グリーンプロダクツの売上高比率を90%維持する。 グリーンプロダクツの売上高比率を90%維持する。(2029年3月期)

2-5 ミネベアミツミのESG・サステナビリティに関する外部評価

ミネベアミツミのESG・サステナビリティに対する取り組み内容は、以下のように外部からも高い評価を受けています。

2018年6月 MSCI日本株女性活躍指数(WIN)の構成銘柄に選定
2021年5月 女性活躍推進企業として「えるぼし」認定の最高位(3段階目)を取得
2022年2月 子育てサポート企業として「くるみん」認定を取得
2022年6月 ミネベアミツミ松井田工場、「令和4年度 安全衛生に係る群馬労働局長表彰」の奨励賞を受賞
2022年9月 サステナ株式会社「SUSTAINA ESG AWARDS 2022」の最上位となるゴールドクラスに選出

3 ミネベアミツミの業績・株価動向

2022年3月期の決算では売上高が1兆1,241億円、営業利益が921億円と好調であり、2023年3月期の通期業績は1兆2,500億円を予定しています。

株価は、2008年10月に付けた株価200円台から長期的な上昇トレンドが継続しており、株価は上昇基調にあります。2021年12月13日には上場来高値となる3,380円を付けており、2008年の安値から15倍以上となっています。ただし、上場来高値を付けてからは一服感を見せており、週足チャートは右肩下がりで、現在は2,100円前後をサポートとしながらも、2,100円〜2,600円のレンジを行ったり来たりしている状況です。

直近の値動きは、2022年10月21日に2,070円を付けてから株価は反発しました。その理由は、2022年11月2日に開示した2023年3月期の通期業績予想の上方修正を発表したためであり、今期最終利益を12%上方修正したことで最高益を更新する見込みです。なお、2022年11月4日の株価は2,135円と、前日から100円以上の値下がりとなっています。

4 ミネベアミツミの配当推移

ミネベアミツミは株主還元策として配当金の支払いを実施しています。配当金の支払いを中間配当および期末配当というかたちで年に2回行っており、株主を確定させる時期は中間配当金が9月30日、期末配当金が3月31日となります。配当金は、株主が確定してから2ヶ月後に支払われます。

ミネベアミツミの配当金制度では、配当性向を基準に業績を反映した株主還元を図っています。配当性向とは、当期純利益のうちどれくらいの割合を配当金の支払いにあてたのかを表す指標で、1株当たり配当金 ÷1株当たり当期純利益×100で算出できます。

例えば、今期については、連結配当性向20%程度を目処に配当金の金額が決定されています。実際、2023年3月期の1株当たり配当金の場合、期末配当は未定であるものの、中間配当は配当金として20円を予定しています。過去5年の配当金の推移は以下の通りです。

各年度 中間配当金 期末配当金
2022年3月期 18円 18円
2021年3月期 14円 22円
2020年3月期 14円 14円
2019年3月期 14円 14円
2018年3月期 13円 13円

このほか、毎年6月に開催される定期株主総会への参加や年次報告書を受けられるなど、ミネベアミツミの株主として経営に参加できます。株主優待はないものの、株主還元策の一環として、継続的に配当金による支払いを実施しています。

まとめ

ミネベアミツミは、ESG・サステナビリティの取り組みとして、Co2排出量の削減や工場から排出される廃棄物を減らすことに努めています。積極的な取り組み姿勢は、国内外を問わず外部からも高い評価を受けているため、ESG投資を検討するのに適した企業の一つと考えられます。

株主優待制度は導入していませんが、業績に連動して配当金が増配される配当性向を指標にしており、株主になることで配当金の受け取りと今後のさらなる増配が期待できるのも特徴です。

ミネベアミツミのESGやサステナビリティに関心のある方は、ご自身でもよくお調べの上、検討を進めてみてください。

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