【元トレーダーが解説】ビットコイン初心者に重要な順張りトレードについて

証券会社を経て、暗号資産(仮想通貨)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。

目次

  1. 上昇トレンドとは
  2. 上昇トレンドと下落トレンドのトレード方法の違い
  3. トレンドに逆らわない
  4. トレンドを見極め、順張りトレードを心がける

市場のトレンドというものは、金融市場や暗号資産市場の重要なテーマの一つです。トレンドとは、アセットや市場の全体的な方向として定義することが出来ます。テクニカルトレーダーもファンダメンタルズで判断するトレーダーもトレンドは慎重に観察しています。

上昇トレンドの時は比較的、トレードを単純なロジックで行う事が出来ます。なぜなら上昇トレンド中はトレード戦略をシンプルに組み立てることが出来るからです。そのため、強い上昇トレンド中は経験の浅い初心者も利益を得やすい場合があります。

また「上昇トレンドに乗れば勝てる」という事だけではなく、さらに踏み込んで「トレンドにはサイクルが存在する」という事をご説明します。それでは上昇トレンドとは何なのか、またどのように上昇トレンドを上手く利用できるのかご説明致します。

①上昇トレンドとは

上昇トレンドというのは、金融市場において価値が上昇し続けている状態を指します。株式市場のほか、為替市場や国債、コモディティ、不動産、そして暗号資産市場でも利用される用語です。また市場全体のことだけでなく、金や個別株、ビットコインやイーサリアムなど特定の銘柄のトレンドを指すこともあります。

上昇トレンドという用語に関係して「強気な市場」という用語もあります。例えば証券会社のトレーダーが「今週は強気な市場だ」と言う時は、同時に本人がロングポジションを持つことを意味する場合も多いです。

ただし、必ずしも上昇トレンドと認識した直後にロングポジションを持つわけではないので注意が必要です。将来的な上昇トレンドを見込んでいる、という状態ですぐにロングポジションを持つのは危険です。また、上昇トレンド中であっても、資産価格は上下する点に注意が必要です。

そのため、初心者の方が上昇トレンドの判断するなら長期的な目線で行う方がいいでしょう。長期的な上昇トレンドを見ていると、途中の下落があっても影響は限定的と割り切ることができます。

このように、一口に「上昇トレンド」とは言っても見ている時間軸によってどこまでを上昇トレンドと見るかは変わっていきます。一般的に上昇トレンドと言う時は「一定の期間の中での上昇トレンド」という意味が内在されています。

そのため、数か月単位での上昇トレンドと数時間単位でみた上昇トレンドは全く異なります。下図はその例です。
MF

こちらはGMOコインのビットコインの日足チャートを示しています。青色のサークルを見ると上昇トレンドと明らかに言えそうですが、黄色の○印だけをみると下落しています。

このように長時間で見た場合と短時間で見た場合で、トレンドが異なることに注意しましょう。様々なテクニカル分析にも共通して言えることですが、長期間を基準にしたトレンド判断の方が予測の確実性は上がります。

特に暗号資産はボラティリティが高い商品なので長期足で明らかな上昇トレンドであっても、途中で大きな下落が起きることがあります。

②上昇トレンドと下落トレンドのトレード方法の違い

上昇トレンドと下落トレンドではトレードの仕方が異なります。上昇トレンドの場合、トレーダーや投資家はロングポジション、または買い注文を入れたいと思うのが一般的です。

一方で下落トレンドの場合はショートポジションや、売り注文、またはトレードに手を出さないという選択肢を取るでしょう。トレードをしない、例えば日本円やステーブルコインに交換しておくという判断は、ある意味では市場の下落を予想しているとも取れます。

それではトレードを控える選択肢と、ショートポジションや売り注文を出すという選択肢には、どのような違いがあるでしょうか?

最も大きな違いは、トレードを控えることは資産を守る手段ですが、ショートポジションを持つ場合はより利益を出すための手段ということです。下落相場でもショートポジションを活かして利益を出せるのが暗号資産FXの特徴の一つです。

また、下落トレンドにある通貨を一旦日本円と交換し、その通貨がさらに下落した後に買い戻す方法でも利益を出す事ができます。この方法は実質的にショートポジションを持つ事になるからです。

また、日本円に資産移動をする場合、管理手数料は発生しませんが、ショートポジションを保持し続ける場合は1日当たり管理手数料が発生するので、ここでも違いがあります。

③トレンドに逆らわない

上昇トレンドの中でトレードする場合の基本的な戦略はシンプルです。「価格が上がるからロングポジションを持つ」「価格が少し下がった時点で押し目買いをする」などが理にかなったトレードとなります。このため、長期保有やドルコスト平均法に基づいたトレードは、上昇トレンドで有用な戦略になります。

「トレンドは友達」という相場の格言があります。どんな時もトレンドが変化するまではそのトレンドに沿ったトレードを行うことが大切です。どれほど強いトレンドもいつかは必ず終わることを意識して適宜戦略を変えて適応していきましょう。

市場参加者の中には上昇トレンドの中でも意図的にショートする人もいます。これはいわゆる逆張りですが、経験が比較的長く、相場の分析などに精通している人なら、利益を出していくことも可能でしょう。

例えば、上昇トレンドの短期的なピーク直後の一時的な下落を狙い、レジスタンスライン付近で売りを仕掛ける戦略がこれに該当します。いずれにせよ、逆張りはある程度経験を積んだ上で行うことをおすすめします。

初心者の中には感覚的に「ここまで上昇したからそろそろ下落するだろう」と、安易なショートポジションを取るトレーダーが多いのも事実です。しかし、逆張りでのトレーディングは、事前に損切りラインを決めていないと大変危険です。ビットコインは一度勢いが加速すれば、青天井に上昇し続けます。結果、損失は大きく膨らんでいくことでしょう。

そのため、まずは順張りで利益を出すことを狙いましょう。明確にトレンドをしっかりと把握して、トレンドに沿ったトレードを心がけることが大切です。

④トレンドを見極め、順張りトレードを心がける

今回は上昇トレンドとは何か、また上昇トレンドに対してどのようなアプローチがあるのかを解説しました。通常、上昇トレンドでも下落トレンドでもシンプルな方法は「順張り」です。上昇トレンドの中では「ロング」を、下落トレンドの中では「ショート」をするというのが基本です。

特に上昇トレンドの中での順張りは初心者でも非常に分かりやすいのではないでしょうか。もしも上昇トレンドと判断してエントリーを行ったとしても実はそれが誤っていたという可能性もあります。その場合は潔く一旦ポジションを決済して、再度相場を客観的に見る癖をつけることが大切です。

その都度、自分のトレードで何がダメだったのか見直す癖をつけましょう。トレンドを見誤っていたのであれば、見分け方についてこちらの記事で解説してあるので、併せてご一読頂けると幸いです。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12