どんなアーティストがNFT作品を発表しているの?その疑問全部答えます。ー主要アーティストのNFT作品一挙紹介

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今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社の鈴木 雄大 氏(@9dai_5)から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. アーティスト発行によるNFT、主要な一覧
    1-1. 海外アーティスト:Beeple氏の例
    1-2. 日本人アーティスト:せきぐちあいみ氏の例
  2. NFT領域アーティストを種類別に分類する
  3. アーティストは何を期待してNFT作品を公開しているのか

NFTについて特に話題になるニュースは、アーティストコラボレーションのNFTではないでしょうか。今回はNFTを一つのデジタルアート作品と見立て、どんなアーティストがどのような作品をこれまで発行してきたのか、その流れを一覧でご紹介させていただきます。

なお売却価格のみがニュースになりすぎている現状ことがあると思っており、この記事では売却価格は一部を除きあえてご紹介いたしません。どのような種類のアートをNFTという形式で発行しているのか、そしてその理由は何故なのか、そういったことに関心をもっていただく記事になれば幸いです。

1. アーティスト発行によるNFT、主要な一覧

アーティスト名 所属国 NFT作品タイプ 主要なNFT作品タイトル NFT販売サイト
Beeple USA 3D Art The First 5000 DAYS クリスティーズ
3LAU USA NFT Album Ultraviolet(Album) Origin
Grimes Canada Short Video WarNymph Collection Vol 1 Open Editions By Grimes x Mac Nifty Gateway
Kings of Leon USA NFT Album When You See Yourself(Album) YellowHeart
Stevi Aoki USA Short Video hairy Nifty Gateway
Aphex Twin UK Short Video /afx\/weirdcore\ Foundation
せきぐちあいみ Japan VR Video Clip Alternate dimension 幻想絢爛 OpenSea
Mike Shinoda USA Short Video Happy Ending Debut Zora

まずお伝えしたいのは、それぞれのアーティストを一口でNFTを作っているアーティストと呼ぶのはあまりに雑なまとめだということです。具体的にアーティストとその作品を御覧いただきながらどのような背景があるか、そうした背景事情の説明を行っていきます。

海外アーティスト:Beeple氏の例

Beeple(ビープル)、このアーティストなしでNFTを語ることはできないでしょう。NFTアーティストとしては最高額の評価をされたアーティストであり、NFTといえばこの人という代名詞的にニュースで取り上げられた人物です。

主な実績

  • Nifty Gatewayにおける最高売上を記録(当時)
  • アートオークション名門のChristies(クリスティーズ)で初のNFTセールを実施
  • これまでの作品すべてをまとめた軌跡としてのアート作品「The First 5000 DAYS」が史上最高額の75.9億円で落札され、全世界のニュースサイトで紹介され、NFTという代名詞的アーティストとして注目を集めた

日本人アーティスト:せきぐちあいみ氏の例

主な実績(NFT分野)

  • VR空間でアート作品を描く、VRアーティストとして先んじてNFTアートとしての作品の販売を実施
  • 日本人アーティストとしては過去最高額となる1,300万円で作品が落札された

2. NFT領域アーティストを種類別に分類する

アーティスト種類 NFTアウトプット例 アーティスト例
グラフィックアーティスト(特に3DCGアートなど) 画像データ、動画データ(ショートムービー) Beeple、せきぐちあいみ
ミュージシャン 音源を用いたショートビデオ、NFTアルバム(限定特典付きのNFT音源作品) 3LAU、Kings of Leon等
Crypto Artist 画像データ等、よりコミュニティに根付いたテーマなどをモチーフにした作品が多い mera takeru

1の項目を改めてアーティストの種類で分類するとこのようになります。特に興味深いのは下部のCrypto Artistと呼ばれるような領域です。作風自体は従来の3DCGを駆使したアートだったり、未来感を感じるアートだったりするのですが、テーマ設定や発行の仕方においてクリプト分野特有の”MEME(ミーム)”と呼ばれる癖の強いテーマやクリプト由来の作品や表現方法による発行の仕方などを行うことで、特にコアなユーザーから愛される、そんなCrypto Artistが次々出現しています。

余談ですがNFTのムーブメントの裏側、特に初期の暗号資産ユーザーがグローバルに入りだした動きに裏側には、こうしたMEME感があったと考えています。このような少し変わっている色の濃さを全面に出すアーティストの中で、ある種の社会風刺とも思えるデジタルアート作品を出し続けているBeepleに高い評価が集まったことには一定頷けるところがあるのではないでしょうか。

3. アーティストは何を期待してNFT作品を公開しているのか

これはアーティストによって随分と異なるのではないでしょうか。

  1. 異分野のアーティストとしていち早くNFTを活用した作品を世に発表されたい
  2. 新しい作風・特有のテーマでのアートを発信したい
  3. ブロックチェーン上にNFTトークンを作成するという挙動を自ら体験されたい
  4. 新しいファン層の開拓
  5. 再販売される際のロイヤリティの確実な徴収(新たな収入源)

このような点が、まず想像できるアーティスト側の意図かと思います。なお現状NFTにこだわらない社会一般の分野では、アーティストのマネジメントを行う会社や、一部権利を保持する会社など複数の企業が同じアーティストの権利を保持する作品など、複雑性を持った権利とそのコンテンツ化などが行われていたりします。

現状未だこうした複雑性の増したアーティストと権利保持者などの関係を上手にブロックチェーン、スマートコントラクトを介して解決するものは多くない印象ですが、今後そうした実際の複雑な権利との整合性が保てる設計のNFTが登場する未来がありうるのではないでしょうか。

まだまだ国内のアーティスト事例は数が少ないですが、今後「創作表現」を行う多くのアーティストの方々が次々NFT作品を発行を検討していくようになるのではないでしょうか。高額の値段がつくこともアーティストにとってはもちろん大きな価値かもしれませんが、NFTを発行・販売する過程で、いままでそのアーティストに触れることがなかったより多くの潜在的なファン層へ、アーティストの作品や作風が知られるようになることもまた一つ大きな価値なのかもしれません。

ディスクレーマー:なお、NFTと呼ばれる属性の内、発行種類や発行形式によって法令上の扱いが異なる場合がございます。詳しくはブロックチェーン・暗号資産分野にお詳しい弁護士などにご確認ください。

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Fracton Ventures株式会社

当社では世の中をWeb3.0の世界に誘うことを目的に、Web3.0とDAOをテーマに事業を行っています。NFT×音楽の分野では、音楽分野のアーティスト、マネジメント、レーベルなどとNFTを活用した新しい体験を図るプロジェクトを行っています。