【元トレーダーが解説】暗号資産のヒストリカルボラティティの見方

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今回は、ヒストリカルボラティティについて、大手暗号資産取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では暗号資産コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. ヒストリカルボラティリティとは
  2. ヒストリカルボラティリティの見方
  3. ヒストリカルボラティリティの注意点
  4. ヒストリカルボラティリティを利用できる暗号資産取引所

暗号資産は値動きがとても激しい市場です。2017年にビットコイン価格は1年間で1,000ドル台から2万ドルへと急騰。バブル相場を形成して多くの個人投資家が参入しましたが、2018年には3,000ドル台へと下落しました。

こうした値動きの幅は「ボラティリティ」と呼ばれており、機関投資家やプロのトレーダーも価格分析を行う場合にボラティリティをチェックしています。ボラティリティには「ヒストリカルボラティティ」と「インプライドボラティリティ」という2種類があり、特に後者はオプション市場で頻繁に語られています。

今回は、過去の値動きにフォーカスした指標である「ヒストリカルボラティリティ」について解説したいと思います。

①ヒストリカルボラティリティとは

ヒストリカルボラティリティは日本語で「歴史的変動率」とも呼ばれ、過去X日間における値動きの大きさを数値化したものです。Xの設定によって算出されるヒストリカルボラティリティの値も変化します。

一見すると、価格が上昇するとヒストリカルボラティリティも上昇し、その逆も然りといった印象がありますが、決してそのような性質ではありません。「変動率」なので、価格の上下にかかわらず、値幅によってヒストリカルボラティリティの数値は変化します。

GMO ETH
上図はGMOコインのイーサリアムの日足チャートです。赤色のラインがヒストリカルボラティリティの推移となっています。下落局面でも上昇局面でもヒストリカルボラティリティが上昇していることがわかるでしょう。

それでは次にヒストリカルボラティリティの見方について解説します。

②ヒストリカルボラティリティの見方

先ほどのイーサリアムの日足チャートを例に、ヒストリカルボラティリティの見方を解説します。

基本的に相場は「レンジ7割・トレンド3割」と言われており、レンジの期間が長い傾向があります。ヒストリカルボラティリティを見て停滞期間が長ければ、レンジ相場と判断できます。レンジが長期間であるほど、その後にトレンドが発生した場合に継続性が高くなる傾向があります。

GMO ETH2
黄色の○印で示している期間は、ヒストリカルボラティリティが低く、値動きが乏しくなっています。この期間はレンジ相場で価格が動いていませんが、その後にトレンドが発生すると、イーサリアムの価格は2倍に上昇しました。

しかし、8月初旬を見ると、ヒストリカルボラティリティは価格と比べてそれほど上昇していません。これは大事なポイントです。価格が上昇しても今回のようにヒストリカルボラティリティが上昇していない場合、「相場が過熱していない」と判断できます。

価格を見て「上昇しすぎているのでは?」と感じたとしても、ヒストリカルボラティリティが落ち着いていれば、安心してトレンドに乗って取引を行うことができます。

ただし、上図の9月初旬のように、価格が大きく上昇して、ヒストリカルボラティリティもまた急騰している場合は注意が必要です。加えて、ヒストリカルボラティリティがあまりにも高止まりしている時は値動きが激しい時期となるため、トレードがより困難になります。そのような場合はトレードを控える等の判断も重要なヒストリカルボラティリティの使い方です。

③ヒストリカルボラティリティの注意点

ヒストリカルボラティリティは遅行性の指標である点に注意が必要です。測定期間が長いほど、より遅れる性質があります。移動平均線と同様に、計算のベースとなるX日数が長いほど、曲線はなだらかになるのです。

しかし、ベースとなる日数を短くしすぎるとデータとしての精度が落ちるため、バランスが需要となります。

また、ヒストリカルボラティリティだけでトレードを行うものではありません。必ず他のテクニカル指標と組み合わせて利用することをおすすめします。

④ヒストリカルボラティリティを利用できる暗号資産取引所

ヒストリカルボラティリティはFXの世界ではメジャーですが、暗号資産取引所のチャート機能としてはあまり見かけない状況です。

しかし、先ほどご紹介したGMOコインであれば、ヒストリカルボラティリティを利用できます。GMOコインはTradingviewと呼ばれる豊富なインジケーターを備えた世界的に利用されているチャート分析ツールを導入しています。

筆者自身もTradingviewを利用しており、チャート分析とトレード判断において重宝しています。GMOコインはTradingviewを導入しているので、様々なテクニカル分析が利用できます。暗号資産マーケットでトレードをする際に、GMOコインは強い味方になるでしょう。

GMOコインでは、取引所(レバレッジ取引)専用のツール「WebTrader」でTradingviewを利用できます。GMOコインの取引所(レバレッジ取引)は、5銘柄(ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、XRP、ビットコインキャッシュ)を取り扱っています。

GMOコインはGMOクリック証券で実績のあるアプリケーションが暗号資産のトレード環境にも活かされており、機能性やユーザビリティの面で優れています。実際にツールを触ってみて頂くと、その使いやすさを実感できると思います。口座開設は無料でできるので、この機会に是非、GMOコインのチャート画面で、ヒストリカルボラティリティをチェックしてみましょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12