GMOコインで取り扱われている仮想通貨「メイカー(MKR)」とは?

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今回は、メイカー(MKR)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. GMOコインとは
    1-1.GMOコインの概要
    1-2.GMOコインの特徴
  2. MKRとは
    2-1.MKRの概要
    2-2.MakerDAOとは
    2-3.仮想通貨としてのスペック
    2-4.MKRの特徴
    2-5.MMKRの将来性
  3. まとめ

22年7月13日、国内の大手取引所であるGMOコインが、取引所サービスでメイカー(MKR)の取り扱いをスタートしました。

メイカー(MKR)は、ETHやBATなど特定の担保資産をロックすることで暗号資産(仮想通貨)であるダイ(DAI)の発行ができるプラットフォームを提供するプロジェクト「MakerDAO」において、ガバナンストークンとしての役割を担っています。

今回は、GMOコインで新たに取り扱われるMKRについて、その概要や特徴、将来性などを解説していきます。

①GMOコインとは

1-1.GMOコインの概要

GMO2

GMOコインとは東証一部上場企業である「GMOインターネット」グループが運営している、16年10月に設立された国内の仮想通貨取引所です。

FX取引高『世界第1位』※ファイナンス・マグネイト社調べ(2020年1月~2020年12月)のGMOクリック証券で培った金融サービスのノウハウや堅牢なセキュリティ、管理体制のもとで安心して暗号資産取引ができることが特徴です。

GMOコインは、信頼性の高さやシステムの利便性の高さなどから多くのユーザーを抱える人気の取引所となっています。

1-2.GMOコインの特徴

①サービス内容が豊富

GMOコインでは仮想通貨の売買以外にも、自身で数量および価格を決定できる、自由度の比較的高い「レバレッジ取引」や、対応している仮想通貨を貸し出すことで最大で年率3%の利子(報酬)を受け取ることができる「貸暗号資産」など、仮想通貨に関する多くのサービスを提供しています。

②取り扱っている仮想通貨銘柄が豊富

GMOコインの最大の特徴として、取り扱っている仮想通貨銘柄が豊富なことが挙げられます。対応している銘柄は以下の通りです。

販売所の取扱銘柄

20種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、クアンタム、チェーンリンク、ポルカドット、テゾス、コスモス、エイダ/カルダノ、メイカー、DAI、ソラナ、ドージ、チリーズ、ザ・サンドボックス、ファイルコイン

取引所(現物)の取扱銘柄

23種類:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、チェーンリンク、ポルカドット、エンジンコイン、シンボル、テゾス、コスモス、エイダ/カルダノ、メイカー、DAI、FCRコイン、アスター、ソラナ、ドージ

取引所(FX)の取扱銘柄

11銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、チェーンリンク、ソラナ、ポルカドット、エイダ、コスモス、ドージ

暗号資産FXの取扱銘柄

14銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、テゾス、ポルカドット、コスモス、エイダ、チェーンリンク、ドージ、ソラナ

このように、GMOコインは取り扱い銘柄数が国内最大規模となっているため、ユーザーは自身のニーズに合わせて柔軟な取引を行うことが可能です。

③セキュリティが徹底している

GMOコインは上場企業であるGMOインターネットのグループ会社であるため、長年培われてきたノウハウによって万全のセキュリティ体制を実現しています。

ユーザー資産のすべてをインターネットから隔離された「コールドウォレット」で管理しているほか、「マルチシグ(マルチシグネチャ)」システムを採用して不正アクセスを防ぐなど、数々のセキュリティ対策を講じています。

日本円で出金する際や仮想通貨を送付する場合、2段階認証を必須化しているだけでなく、ログイン履歴の記録およびメールによるユーザーへの通知も徹底しているため、安心して利用することが可能です。

②MKRとは

2-1.MKRの概要

MKR
メイカー(MKR)とは、レンディングプラットフォームの提供を行っているプロジェクト「MakerDAO」におけるガバナンストークンです。「DAI(ダイ)」と呼ばれるステーブルコインの発行および管理を行っています。

MKRは、イーサリアムブロックチェーンのトークン規格「ERC-20」として17年11月25日に発行されました。

2-2.MakerDAOとは

MakerDAOとは、14年に設立されたイーサリアムブロックチェーン上におけるオープンソースプロジェクトです。

自律分散型組織として機能しているMakerDAOは、ガバナンストークンである「MKR」を保有する世界中の人々による投票で運営方針が管理されています。具体的には、MKRのホルダーはガバナンス投票などを通して「Makerプロトコル」および「Dai」に関するリスク・パラメーターや財務、マーケティング施策等の管理を行います。各プロセスは透明性を確保しながら行われます。

MakerDAOでは主に「DAI(ダイ)」の需要と供給のバランスをとるために「DSR(Dai Savings Rate)」という、DAIの預金に適用される金利を調節しています。

2-3.仮想通貨としてのスペック

MKRの仮想通貨としてのスペックは下記の通りです。

  • ティッカーシンボル・・・「MKR」
  • 現在の価格(22年7月20日現在)・・・1,029.11ドル(約142,060.93円)
  • 時価総額・・・約10億ドル(約1388.8億円)
  • 時価総額ランキング・・・50位
  • 循環サプライ・・・約97.7万MKR
  • 最大発行量・・・約100.5万MKR

2-4.MKRの特徴

①MakerDAOのガバナンストークン

MakerDAOのガバナンストークンとして機能しており、ホルダーはMakerプロトコルの変更・改善に関する提案が出された場合、「1 MKR = 1票」として投票を行うことができます。

②「DAI」の手数料の支払いに使用

MKRは、Makerシステム内のCDP(担保付き債務ポジション)と呼ばれる手数料の支払いに使用できます。料金が支払われると、MKRは「燃焼(バーン)」されます。MKRが燃焼すると、MKRの全体的な供給が減少します。CDPとDAIの需要が高まると、MKRの需要も高まります。一方で、担保ポートフォリオが必要な担保を満たしていない場合、Makerシステムは自動的にMKRトークンを作成して売却します。

2-5.MKRの将来性

DAIは時価総額74億ドルで、分散型ステーブルコインとして発行量が最大です。DAIは現時点で400を超えるプロジェクトにおいて利用されているため、今後さらにそのユースケースが拡大された場合、MKRの需要も高まると考えられます。

仮想通貨は投資商品の中でもボラティリティが大きいため、近年では法定通貨に連動するように設計されたステーブルコインへ一時的に資産を退避させるような使われ方が増えています。DEX(分散型取引所)で他のトークンとぺアでの流動性プールが作成されたりと、DeFi(分散型金融)市場の拡大に伴ってステーブルコインDAIの需要も高まると期待されます。

③まとめ

MKRはステーブルコインであるDAIのエコシステムで重要なガバナンストークンです。ステーブルコインDAIの普及も拡大しており、日本でもGMOコインやビットバンク(bitbank)などの仮想通貨取引所で上場しています。

特にDAO(分散型金融)の分野は、Web3(分散型ウェブ)の文脈で重要な位置づけになっています。MKRを保有することで、Makerシステムのガバナンスに参加してみて、DAOの状況を体験してみることも良い経験になるかと思います。興味のある方は、GMOコインで口座を開設し、MKRを保有してみましょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12