Coincheck IEO第2号案件「フィナンシェトークン(FNCT)」とは?次世代クラウドファンディング「FiNANCiE」を解説

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目次

  1. 次世代クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」とは
    1-1.フィナンシェトークン(FNCT)とは
    1-2.株式会社フィナンシェとは
  2. 地域創生にかかわるコミュニティトークン一例
    2-1.熊本県菊池市発、黒毛和牛「KYUKON WAGYUプロジェクト」
    2-2.静岡県三島市発「三島ウイスキープロジェクト」
    2-3.沖縄県名護市「やんばる」発「畑人3.0プロジェクト」
  3. IEOとは?
    3-1.Coincheck IEOの概要
    3-2.Coincheck IEO 1号案件
  4. コインチェック株式会社について
  5. まとめ

国内で暗号資産(仮想通貨取引所)を運営するコインチェック株式会社は、Coincheck IEOにおいて、次世代クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」のプラットフォームトークン「フィナンシェトークン(FNCT)」の新規販売を2月21日から開始しました。申し込み受付開始から60分で調達目標金額の10億6600万円を突破しており、Coincheck IEO第2号案件として注目度の高さが窺えます。

FNCTの購入申し込みは、3月6日まで受け付けており、Coincheckで口座開設をしていれば誰でも参加することができます。ここでは FiNANCiEのフィナンシェトークンについて、またIEOについて解説します。

①次世代クラウドファンディングサービス「FiNANCiE」とは

FiNANCiEは株式会社フィナンシェが提供している、ブロックチェーンを活用したトークン発行型のクラウドファンディングプラットフォームです。スポーツチームや企業・地域プロジェクト、クリエイターなどが「コミュニティトークン(CT)」の発行を通した資金調達の実施、コミュニティ運営が可能となっています。

コミュニティトークンの保有者は、FiNANCiE内の各コミュニティに参加できる権利やコミュニティ運営の一部に携われる投票、参加型イベントへの招待、限定コンテンツ、特典抽選への応募などの権利が得られます。

投票はトークン(CT)保有数に応じて投票数が多くなる仕組み、保有しているトークン数の割合によって抽選特典の当選確率が変動するなどのインセンティブがあります。また一定量のトークンを保有しているサポーターには限定の特典も提供されます。

1-1.フィナンシェトークン(FNCT)とは

FNCTは、イーサリアムブロックチェーン上で発行された暗号資産(仮想通貨)です。コミュニティの継続的な成長のインセンティブ、および、グローバルエコシステム拡張のため、FiNANCiEのプラットフォームトークンとして発行されます。

FNCTは、より多くの人にとってFiNANCiE上における継続的な活動の媒介となるように設計されており、FiNANCiEのコミュニティを活気づけるアクティブなサポーターへのインセンティブ報酬となります。

FNCT
例えば、「コミュニティトークンホールディング」という機能について。これは、FiNANCiEで管理しているランキング上位のコミュニティに対する報酬として付与されます。ランキングはコミュニティ活動の活発状況やCT価格などを総合的に加味しており、コミュニティに配布されたFNCTは最終的にCTをより長期的にホールドしているユーザーに多く分配されます。

また、FiNANCiEの収益の一部を使ったBuyBack&Burnや、エコシステム全体におけるガバナンスに参加できる機能も有し、エコシステム全体に作用する機能も設けられています。

1-2.株式会社フィナンシェとは

FiNANCiEフィナンシェは前述した「FiNANCiE」をはじめ、NFT事業、IEO支援事業などトークンを活用したコミュニティおよびエコシステムの形成を支援する事業を展開しています。

現在、180以上ものスポーツチームやエンタメプロジェクト、個人などのトークンの発行・販売、企画・運用実績を有しており、トークンエコシステムの形成・拡張を一気通貫で支援する国内唯一のWeb3プラットフォームの確立を目指しています。

②地域活性化にかかわるコミュニティトークン一例

2-1.熊本県菊池市発、黒毛和牛「KYUKON WAGYUプロジェクト」

山瀬健策氏が手塩にかけて育て上げる黒毛和牛「KYUKON WAGYU」の「畜産×食育」に関する「KYUKON WAGYUプロジェクト」が2022年9月に始動しました。山瀬氏は熊本県菊池市の畜産農家「山瀬牧場」を家業とし、全国各地の良質なお肉を紹介する肉師®︎としても活動しています。

FiNANCiEでコミュニティトークン発行と、トークンを基盤とする「共創型コミュニティ」で、生産者と消費者がパートナーとなって創り上げる、「次世代の畜産流通と収益モデル」の実現にチャレンジするプロジェクトです。

山瀬氏は東京目黒にて、プロデュースする焼肉レストラン「きゅうこん」をはじめ、パリに本店を持っています。フランスの革新派美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ2020」にも掲載された「Restaurant TOYO Tokyo」などを運営する「TOYO JAPAN」のバックアップも行い、「地方×東京×web3」に挑戦するとのことです。

2-2.静岡県三島市発「三島ウイスキープロジェクト」

Whiskey&Co.主導の「三島ウイスキープロジェクト」は静岡県三島市限定ウイスキーづくりを起点とした関係人口創出を目指すプロジェクトです。内閣府の「関係人口」創出・拡大のための支援事業、令和3年度補正「中間支援組織の提案型モデル事業」に採択されているプロジェクトでもあります。

FiNANCiE内のコミュニティを活用し、Whiskey&Co.社とサポーターがパートナーとなって創り上げる「地域ブランドづくりを通したまちづくりや関係人口の創出」の実現にチャレンジします。具体的にこのプロジェクトでは「FiNANCiE」上でトークン「key3」が販売されます。そのトークンの保有者にはウイスキーの購入権やその製造・販売プロセスへの参画権などの特典が付与されます。なお「key3」は初回販売で1口の10,000ptで購入ができ、1人あたり10口が購入上限です。初回販売では2000口(2000万pt)分が用意されています。

2-3.沖縄県名護市「やんばる」発「畑人3.0プロジェクト」

「畑人3.0(ハルサーサンテンゼロ)」は沖縄の農業生産法人クックソニア発足のプロジェクトです。「畑人3.0」は、沖縄県沖縄本島北部の山や森林など自然が多く残っている地域「やんばる(山原)」の産直食材を広く届けると同時に、生産者コミュニティの在り方、地域や消費者との関わり方について皆で一緒に考え、アップデートしていくことを目指すプロジェクトです。

発起人であるクックソニア代表の芳野幸雄氏は、地域に根ざした農業と流通の仕組みづくりに取り組んできた畑人です。このプロジェクトではトークンとコミュニティを活用し、農作物の栽培・加工・販売に至るプロセスの可視化やノウハウ共有をはじめ、市場の同行に左右されない生産・流通体制の構築、リアル・オンラインで実施されるレシピ開発や料理教室など、生産者と支援者が一体となって取り組む、あたらしい農業づくりへの挑戦を行うとのことです。

③IEOとは?

IEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)とは、トークンを発行したプロジェクトが、仮想通貨取引所を通じて資金調達を行うものです。IPO(株式公開)の仮想通貨版と考えると理解しやすいでしょう。

2017年頃に仮想通貨が大流行した要因の一つに「ICO(イニシャル・コイン・オファリング)」と呼ばれる資金調達スキームがありました。しかしICO詐欺が横行し、規制が強化され、現在までにICOは下火となっています。

トークンを発行して資金調達を行うという目的は同じですが、IEOとICOの決定的な違いは「販売主体が違う」ということです。ICOの場合、トークン発行元であるプロジェクトチームが、ホワイトペーパーを作成し、投資家にダイレクトに販売します。ホワイトペーパーを通じて、「どのようなビジョンの下でトークンを発行するのか」、「資金調達をして何を、どのような計画で行うのか?」をアピールします。

一方でIEOは、仮想通貨取引所がプロジェクトチームから委託を受けて、取引所のユーザー向けに販売・プロモーションを代行します。取引所がそれぞれのトークンやプロジェクトを査定し、顧客へ販売するかどうか判断するため、信用補完の意味合いを持ちます。IPOに例えると、仮想通貨取引所は証券会社のポジションとなり、顧客から資金を調達しプロジェクトチームに渡す流れとなります。

3-1.Coincheck IEOの概要

Coincheck
コインチェックは日本初のIEOを実施した暗号資産交換業者であり、これまで国内で実施された全3件のIEOのうち2件(FNCTを含む)を支援しています。

仮想通貨取引所Coincheckの2022年9月末時点の本人確認済み口座数は174万口座に上り、NFT市場であるCoincheckNFT(β)も展開しています。

FiNANCiEにとっては単なる資金調達だけでなく、新規ユーザー獲得の機会ともなりますし、コインチェックにとっても、スポーツ、エンタメ、地域創生のコミュニティを抱えるFiNANCiEのユーザーベースとの接点を設けることになります。両者にとってシナジー効果が生まれる可能性があります。

3-2.Coincheck IEO 1号案件

コインチェックは2021年7月にIEOプラットフォーム「Coincheck IEO」の提供を開始し、株式会社HashPaletteと日本初となるIEOによる資金調達を実現しました。

国内初のIEO銘柄として採択されたのは、エンターテインメント領域に特化したNFTプラットフォーム「パレット(Palette)」で利用されるトークンである、「パレットトークン(Palette Token)」です。

第一弾のIEOは開始わずか6分で目標金額9億3,150万円を突破、申し込み倍率は24.11倍にまでなりました。パレットトークンの価格は、IEOでの販売価格4.05円から始まり、Coincheckでの取り扱い初日にその約11.5倍となる46.1290円を記録しました。

その後も最高値を更新し、現在の最高値は2021年8月23日に記録した98.8980円となっています。結果としてIEOでの販売価格からは、約24.4倍にまで到達しました。2023年2月25日の時点、パレットトークンの価格は、IEOでの販売価格を大きく上回っています。

④コインチェック株式会社について

コインチェック株式会社は総合金融グループ「マネックスグループ」の子会社であり、仮想通貨取引所Coincheckを運営しています。初心者でも直感的に操作しやすい「販売所」や、ユーザー同士の売買注文のマッチングを行う「取引所」では手数料無料でビットコインを含む多数の仮想通貨を売買できます。

コインチェックはブロックチェーンにより生まれる「新しい価値交換」を身近に感じられる機会を提供するために新サービスの研究開発に注力しており、ステーキングやCoincheck NFT、Coincheck IEOなど、仮想通貨取引以外のサービスも充実しています。

Coincheck IEOを発射台として、世界で戦う日本発のプロジェクトがデジタル経済圏へと歩み出していくことを支援していく方針。デジタル経済圏へのゲートウェイとなるべく、ユーザーとプロジェクトとの架け橋となるエコシステムの構築に努めています。

⑤まとめ

これまで数多くのプロジェクトを手がけてきたフィナンシェが今回初の仮想通貨をIEOで上場させるということで、既に高い注目を集めています。

Coincheck IEOへの参加には仮想通貨取引所Coincheckの口座開設が必要です。興味がある方は口座開設の案内についてまとめている関連記事についてもご覧ください。

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。