今回は、暗号資産交換業者CoinBookについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- CoinBookとは?
1-1.CoinBookの概要
1-2.CoinBookの強み - CoinBookの事業内容
2-1.エンターテイメント
2-2.テクノロジー - まとめ
近年、仮想通貨(暗号資産)業界がますますその規模を拡大しており、さまざまな企業が参入して関連サービスやプロジェクトを発表しています。
その中でも「CoinBook(コインブック)」は、仮想通貨交換業者としてのサービスを提供しているほか、ブロックチェーンテクノロジーを駆使したプラットフォームである「NFTトレカ」の運営も手がけるなど、ブロックチェーンとエンターテイメントの可能性を追求する国内企業として大きな注目を集めています。
そこで今回は、仮想通貨交換業者のCoinBookについて、その概要や事業内容、特徴などを解説します。
①CoinBookとは?
1-1.CoinBookの概要
CoinBookとは、18年5月に設立されたブロックチェーン関連の事業を手がける国内のスタートアップ企業です。
CoinBookでは、「ブロックチェーン技術を身近に、みんなのものに」することを目指し、エンターテイメントとの融合によって新たなマーケット・サービスを切り拓くことに努めています。
また、代表取締役を務める奥秋淳氏はCoinBookについて、「ブロックチェーン市場に新しい風を」をテーマに掲げ、ブロックチェーンテクノロジーを駆使した全く新しいコンテンツの実現を目指して創業したと話しており、エンタメ業界をはじめとするコンテンツ業界全体への浸透を図っていくと説明しています。
1-2.CoinBookの強み
前述した通り、CoinBookではブロックチェーン技術とエンターテイメントを掛け合わせることによって新たな可能性を見出すことに尽力しており、代表取締役の奥秋淳氏は、その最大の強みの一つとして「人材」を挙げています。
CoinBookの創業メンバーはエンターテイメント分野において幅広いコネクションを有しているほか、金融業界に精通したメンバーや最新のシステムやテクノロジーに関して詳しいメンバーなど、それぞれの分野におけるプロフェッショナルが集ってCoinBookという企業を作り上げていったと語っています。
そのほかにも、金融庁の「暗号資産交換業者」として正式に登録されたことも、信頼面において大きな強みになっているということです。
前述の通り、CoinBookではNFT(非代替性トークン)を取り扱ったプロジェクトを展開していますが、NFTに関して、価格は正当なのか、マネーロンダリングの温床になりかねないのでは、などといった懸念があることも事実です。そんな中、CoinBookは金融庁からの正式な登録を受けています。
②CoinBookの事業内容
CoinBookでは主に、ブロックチェーンテクノロジーを駆使したデジタル知的財産の発行および流通市場の運営を行っており、その事業内容は大きく下記3つのセグメントに分けられます。
2-1.エンターテイメント
CoinBookでは、インターネット関連のプロモーションおよびコンサルティング業務を行っており、社内メンバーが有するエンタメ業界との強い繋がりを駆使して、さまざまなプロジェクトを展開しています。
2-2.テクノロジー
CoinBookではブロックチェーンテクノロジーを駆使した商品開発を進めており、20年10月からはNFTに関連したサービスを本格的に立ち上げ、さまざまなプロジェクトの展開を行ってきました。
なお、これまでに展開された事業もしくはプロジェクトには、下記のようなものがあります。
・NFTトレーディングカードの販売
CoinBookのプロジェクトとして最も広く知られているものの一つに、NFTトレーディングカードの販売があります。
CoinBookでは20年10月から、デジタルトレーディングカードを取集および売買することが可能な「NFTトレカ」と呼ばれるプラットフォームの提供をスタートしており、その第一弾として人気アイドルグループ「SKE48」の「いきなりNFTトレカ」がリリースされ、大きな話題となりました。
この「いきなりNFTトレカ」は、SKE48が開催した配信ライブ「SKE48 12th Anniversary Fes 2020 ~12公演一挙披露祭~」において撮りおろされた画像が収録されたもので、イーサリアムのテクノロジーを用いて発行された、唯一無二のトレカとして注目を集めました。
なお、アイドルコンテンツの分野においてNFTトレーディングカードを発行したのは、CoinBookが日本企業初であったということです。
また、21年11月には、ブロックチェーン関連企業である「アトノイ」と提携して、「ソラナ(SOL)」をベースとしたNFTマーケットプレイス「NFTex.Solana」の開発を発表しており、22年6月現在、その一部の機能が利用可能となっています。
NFTex.Solanaでは、日本円でのクレジットカード決済や銀行振込(オークションのみ)が可能なほか、「イーサリアム(ETH)」でのNFT購入もできるということです。
・仮想通貨交換業者
CoinBookは21年4月16日、金融庁の「暗号資産交換業者(登録番号:関東財務局長第00026号)」への登録を完了しており、その後の22年4月27日から「エスクロー・エージェント・ジャパン信託」が提供している「エスクロー信託(取引保全)」を活用した仮想通貨のOTC取引業務をスタートさせました。
CoinBookは仮想通貨交換業者への登録を目的として、21年1月1日に「日本暗号資産取引業協会(JVCEA)」の第二種会員に入会しており、この2種会員登録から約4ヶ月半という短期間で交換業者の登録を完了しました。
なお、エスクロー信託とは、物品などの売買に際して、契約当事者の間に信頼できる「中立的な第三者」が入ることで、代金決済および物品授受の確実な実行などといった取引の安全性を確保するための仲介サービスのことを指します。
このエスクロー信託を利用することによって、代金の未払いや契約の不履行といった取引の際に懸念されるリスクを最低限に抑えることが可能となっています。
また、OTC取引とは「Over The Counter」を略したもので、取引所やマーケットを介さずに行う、大口取引のユーザーを対象とした相対取引のことを指します。
OTC取引には500万円以上という大口の取引を一度の注文だけで完了できるというメリットがあり、CoinBookの社内審査を通過し、契約書の締結を完了したユーザーのみ利用可能だということです。
なお、取り扱いのある仮想通貨は「ビットコイン(BTC)」と「イーサリアム(ETH)」で、いずれも現物のみとなっています。
2-3.ブランディングデザイン
上記以外にも、CoinBookでは「ブランディングデザイン」として、広告業および広告代理店業務も行っています。
③まとめ
CoinBookは仮想通貨交換業者としてのサービス提供のほか、NFTトレカでもその名を知られており、クリプト業界において重要な位置を占める企業となっています。
特にエンターテイメント業界に対して大きな強みを持っているため、今後は芸能関係のコンテンツだけでなく、アニメや漫画といった分野へのプロジェクト展開も期待されています。
このように、CoinBookはこれからの日本国内におけるクリプト業界の発展を担う存在であると言えるため、その動向に引き続き注目していきたいと思います。
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中島 翔
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