【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】コインチェックが提携したチリーズ(Chiliz)とは

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今回は、コインチェックが提携したチリーズ(Chiliz)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. チリーズ(Chiliz/CHZ)とは?
  2. ファントークンとは
  3. チリーズの今後の動き
  4. 仮想通貨チリーズ(CHZ)を購入できる取引所

仮想通貨業界ではNFTが世界的な盛り上がりを見せています。有名アーティストやミュージシャンが手がけたアートNFTが数千万円、数億円規模で落札されたり、複数のNFTマーケットプレイスが連日立ち上がるなど、NFTは一躍ブームとなっています。

日本でも仮想通貨取引所コインチェックがNFTマーケットプレイス事業のためにチリーズ(Chiliz)との提携を公表しました。今回、チリーズとは一体どのような仮想通貨なのか解説したいと思います。

①チリーズ(Chiliz/CHZ)とは?

チリーズは、スポーツやエンターテイメント業界でのブロックチェーン活用を目指したプラットフォーム、およびそこで使用される仮想通貨です。国内では未上場となっています。

チリーズが運営する「Socios.com」ではプロスポーツチームがファントークンを発行・販売することで資金調達ができます。チリーズは現在、以下のような名門スポーツクラブと提携しています。

  • FCバルセロナ(スペイン)
  • パリサンジェルマンFC(フランス)
  • ユベントスFC(イタリア)
  • ASローマ(イタリア)
  • ノヴァーラ・カルチョ(イタリア)
  • ガラタサライ(トルコ)
  • トラブゾンスポル・クラブ(トルコ)
  • アトレティコ・マドリード(スペイン)
  • CAインデペンディエンテ(アルゼンチン)
  • アポロン・リマソール(キプロス)
  • UFC(アメリカ)
  • PFL(アメリカ)

②ファントークンとは

ファントークンの保有者は発行者であるスポーツクラブに関連したファン投票に参加したり、特典や報酬などを受け取ることができます。例えば、FCバルセロナのファントークンの保有者は、ホームスタジアムのアートワークを決定する参加権を得ることができます。ファンとしては好きなクラブとより密接に関わることができるメリットがあります。

クラブチームにとっては、ファントークンを発行することで資本調達ができるメリットがあります。ACミランはファントークンの発行によって600万ドルを調達しており、Jリーグプロサッカークラブの湘南ベルマーレもファントークンの発行・販売を通じた資金調達を導入することを発表しています。

CHZやファントークンの取得方法

仮想通貨チリーズ(CHZ)は、バイナンスなどの仮想通貨取引所に上場している他、Socios.com上でクレジットカードで直接購入が可能です。一方のファントークンは、Socios.comや仮想通貨取引所Chiliz Exchangeでのみ上場しており、仮想通貨CHZと交換できます。

また、仮想通貨CHZは、チリーズのアプリSocios.comの「トークンハント」を通じて無料で増やすことができます。トークンハントはGPS地図上の目印をチェックしていくというシンプルなゲームです。CHZだけでなく、スポーツクラブが発行したファントークンもトークンハントで同様に取得できます。

日本ではまだチリーズ(Chiliz)は上場されていないため、国内のクラブチームが利用することができませんが、現在コインチェックがチリーズ(Chiliz)と提携したことで、CHZの国内上場を期待する声も見受けられます。

③チリーズ(Chiliz)の今後の動き

チリーズ(Chiliz)は今後、世界のプロスポーツクラブとの提携拡大を目指しており、特にアメリカに矛先を向けています。2021年3月にはNYオフィスを開設し、5,000万ドル(50億円程度)を投じて米国への市場拡大に取り組んでいます。米国のスポーツ熱は世界的に高い水準にあり、欧州とは異なる文化圏であるため、チリーズ(Chiliz)としても期待している模様です。

チリーズ(Chiliz)の価格動向

仮想通貨CHZは、2021年初頭は2円程度で推移していましたが、4月までに一時80円を超える水準に達しました。チリーズ(Chiliz)は先ほど説明したようにアメリカでの拡大や、日本に進出の可能性も無きにしも非ずのため、保有者としては更なる上昇を期待している向きが多いようです。

④仮想通貨チリーズ(CHZ)を購入できる取引所

仮想通貨チリーズ(CHZ)を購入できる仮想通貨取引所は以前はBinanceとChiliz Exchangeのみでしたが、現在では世界各地の仮想通貨取引所でも取り扱っています。

  • Huobi Global(フォビグローバル)
  • OKEx(オーケーイーエックス)
  • Bitfinex(ビットフィネックス)
  • FTX(エフティーエックス)
  • Uniswap(ユニスワップ)
  • Bitcoin.com Exchange(ビットコインドットコムエクスチェンジ)

日本ではまだ仮想通貨チリーズ(CHZ)を購入することはできませんが、今後ファントークンの拡大する中で日本でも上場する可能性はゼロではないでしょう。コインチェックが提携していることもあり、チリーズ(Chiliz)の動きには今後日本人としても注目しておきたいところです。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12