アップデートから見るイーサリアムのこれからと今後

イーサリアムの開発者であるヴィタリック・ブテリンはビットコインをはじめとするプロジェクトに携わる中で、特定の問題だけを解決するプロジェクトではなく、さまざまな課題を解決するために分散型システムを開発可能にするプラットフォームを作るというアイディアを考えつくに至ったと語っています。ここでは、イーサリアムのアップデートの内容に触れながら、これまでイーサリアムがどのように開発されてきて、今後どのように開発が進んでいくかについて見ていきましょう。

イーサリアムの5つのアップデート・開発段階と特徴

開発段階は、スマートコントラクトの実装、コンセンサスアルゴリズムであるPoW(Proof of Work)のPoS(Proof of Steak)への移行が主な目的として設定されています。以下で詳しく見ていきましょう。

  1. Olympic(オリンピック):2015年5月
  2. Frontier(フロンティア):2015年7月30日
  3. Homestead(ホームステッド):2016年3月14日
  4. Metropolis(メトロポリス):2017年10月16日
  5. Serenity(セレニティ)

Olympic(オリンピック):2015年5月

オリンピックはイーサリアムのブロックチェーンの限界を検証する目的でリリースされました。スパム取引が実行された際にネットワークがどのように維持されるのかを確認するために、4つのカテゴリーで検証が行われ、それぞれに検証に応じた報酬も設定されました。

  • トランザクションの動作確認
  • 仮想マシンの動作確認
  • マイニングの動作確認
  • 一般的に想定される混乱の確認

Frontier(フロンティア):2015年7月30日

フロンティアはイーサリアムを安定的に稼働させるためにバグを修正するプレリリース期間としてローンチされました。そのため、フロンティアではジェネシスブロックが生成されイーサの交換やマイニングを行うことが可能となりましが、ユーザーのトランザクションは処理せずにセキュリティを高く保つ仕様となっていました。また、ユーザーはイーサの交換や利用にあたってすべてを自己責任で行う注意喚起もされ、まさにイーサリアムを本格稼働させる前のテストフェーズでした。

Homestead(ホームステッド):2016年3月14日

ホームステッドではフロンティアで発見されたネットワーク上の問題やバグの修正、プロトコルの変更が実行された結果、イーサリアムが本格的に始動しました。ホームステッドでは、TheDAO事件の対応としてのハードフォークやDoS攻撃対策など、ブロックチェーンを安定的に稼働させるためのセキュリティに関するマイナーアップデートが実施されました。

Metropolis(メトロポリス):2017年10月16日〜

メトロポリスは「Byzantium(ビザンチウム)」と「Constantinople(コンスタンティノープル)」の2つのハードフォークが実施される開発段階です。2018年7月現在、ビザンチウムだけが実装されており、イーサリアムブログによるとコンスタンティノープルは2018年中に実施するとしています。

匿名性の向上とマイニング報酬の調整をする「ビザンチウム」

ビザンチウムではゼロ知識証明を利用したzk-SNARKs技術の導入やマイニング報酬の減少を実施しました。イーサリアムの特徴でもあるスマートコントラクトは、ブロックチェーン上でトランザクションなどの情報が公開されており、プライバシーの問題が指摘されていました。これに対し、zk-SNARKsによってこの透明性の問題を解決するとしています。マイニング報酬の減少については、単純にブロック報酬を減少させる半減期を設定する他、ディフィカルティボムの調整が実施されました。

マイニング時間を短縮するプロジェクト「コンスタンティノープル」

コンスタンティノープルは詳細が未定であるものの、コンセンサスアルゴリズムをPoSに移行する準備段階としてCasperを導入する予定とされています。CasperFFGはPoWとPoSのハイブリッドのコンセンサスアルゴリズムで、トランザクションを従来通りPoWで処理する傍らで100ブロックに1ブロックをPoSで検証する仕組みとなっています。

Serenity(セレニティ)

セレニティではPoSへの移行が完了することが予定されています。また、スケーラビリティ問題を解決するためにSharding Method(シャーディングメソッド)の検証が実施されています。イーサリアムではDApssの普及によるスケーラビリティ問題が浮き彫りとなっており、現在でもレイヤー2.0を活用したRaiden Network(ライデンネットワーク)やサイドチェーンを活用したPlasma(プラズマ)などの開発が進んでいます。

オンチェーンでスループットを向上させるシャーディングとサイドチェーン

シャーディングはトランザクションの検証作業をバリデーターのグループごとに分け、並列して実効する仕組みです。シャーディングの導入により検証効率が大幅に改善されると言われています。サイドチェーンはメインチェーンとは別に側鎖としてブロックチェーンを構築する技術です。イーサリアムにおいてプラズマと呼ばれるサイドチェーンは階層構造をもつサイドチェーンで、メインチェーンの負荷を軽減することでスケーラビリティの改善を図ります。現在ではプラズマの問題を解決するPlasma Cash(プラズマキャッシュ)と呼ばれる概念も提唱されており、現在進行系で開発が進んでいます。

オフチェーンでスループットを向上させるライデンネットワーク

ライデンネットワークは、オフチェーンで複数トランザクションを処理し最後のトランザクションのみをブロックチェーンで処理する技術です。ビットコインのライトニングネットワークとの違いは、ビットコインが送金のみのトランザクションを処理するのに対し、イーサリアムはスマートコントラクトをはじめとするさまざまな処理を必要とする点にあります。

【参照URL】Releases
【参照記事】Olympic: Frontier Pre-Release
【参照記事】Ethereum Frontier Release
【参照記事】Homestead Release
【参照記事】Byzantium HF Announcement

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HEDGE GUIDE 編集部 仮想通貨チーム

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