DApps(自律分散型アプリケーション)とは?

DApps(Decentralized Applications:自律分散型アプリケーション)とは中央管理者が存在せず、不特定多数の者が自律的に行動した結果、全体のシステムが機能する自律分散型アプリケーションのことで、ビットコインやイーサリアムがその代表と言われています。DApps研究家のDavid JohnstonがGitHubに投稿した定義によると、DAppsは以下の要件を満たすアプリケーションとされています。

  1. アプリケーションはオープンソースによって提供され、中央管理者のいないネットワーク上で参加者の合意によりに関するすべての決定が成されること
  2. ブロックチェーンによって、デジタル情報が安全に分散保存されること
  3. アプリケーションでやりとりされる情報をもつ価値(トークン)を、ネットワーク健全性の維持に貢献した参加者への報酬として与えること

【引用元】The General Theory of Decentralized Applications, Dapps

DAppsへの理解を深める考え方として、DAppsと対立する概念であるCentralized Applicationsについても知っておくとよいでしょう。一見するとDApps以上に難しい概念のように感じるかもしれませんが、Centralized Applicationsとは従来のインターネットサービス、つまり中央管理者が存在するアプリケーションのことです。例えば、Google・Facebook・Instagram・Twitterなど、私たちが普段から利用するアプリケーションなどがCentralized Applicationsに該当します。

DAppsの3つのタイプ

ここでは前述のDavid Johnston氏が定義したDAppsの種類についてご紹介していきましょう。同氏によるとDAppsには独自のブロックチェーン上で構築するもの、既存のブロックチェーンを利用するもので3つのタイプが存在するとしています。

タイプ1は、ビットコインやイーサリアムなどの独自のブロックチェーンを持つアプリケーションです。タイプ2は、ERC20トークンやイーサエモンのようなタイプ1のブロックチェーン上を利用するアプリケーションで、アプリケーションを利用するためのトークンが発行されるものが該当します。タイプ3は、自律分散型のファイルストレージ「SAFE(Secure Access For Everyone)Network」のようなタイプ2のプロトコルを利用するアプリケーションで、タイプ2と同様にアプリケーションを利用するためにトークンが必要なものを指します。

David Johnston氏のホワイトペーパーによると、タイプ1はPCのOS(Windows、Mac OS、Linux、Android、iOSなど)で、タイプ2はソフトウェア(ワードプロセッサ、スプレッドシートソフトウェア、Dropboxなどのファイル同期システムなど)、タイプ3はソフトウェアソリューション(ワードプロセッサを使用するメールツール、スプレッドシートを使用するマクロ、Dropboxを使用するブログプラットフォームなど)に例えられています。

DAppsのメリット

中央管理者が不在で単一障害点がない

DAppsはブロックチェーン上で展開されるアプリケーションで、ネットワーク上に多数のノードが同じデータを共有・管理することによってブロックチェーンを維持しています。特定の中央管理者が存在しないこのシステムでは、一部のノードが停止や故障してもシステム全体が稼働を続けることが可能というメリットを持っています。

データの改ざんリスク軽減

ブロックチェーンは時間が経つほど記録された情報の強度が増す仕組みとなっているため、情報が改ざんされるリスクが大きく軽減されることもDApssのメリットと言えます。また、ブロックチェーンの特徴でもある透明性の高さからデータをノード同士がお互いに監視することも可能です。

DAppsの課題

スケーラビリティ問題によるトランザクションの遅滞

DAppsはブロックチェーンを利用しているため、DAppsのデータ量増加によってトランザクションが増加し、ブロックサイズやブロック生成スピードによってはトランザクションが遅延するスケーラビリティ問題が発生する可能性が指摘されています。

Dapps利用手数料の上昇

トランザクションの増加はDApps利用手数料の上昇にも繋がる問題です。手数料の高騰はDApps内でのトークン購入やゲームへの支払手数料はもちろん、DAppsを利用していないその他のユーザーのトランザクション手数料が増加することにもなりかねません。

DAppsの未来

DAppsは現在ゲームアプリとしてリリースされているものが多く、前述のイーサエモンがDAppsとして有名なアプリケーションのひとつです。イーサエモンでは、捕まえたイーサエモンというブロックチェーン上で存在する仮想モンスターを売買したり、プレイヤー同士で交換したり、モンスターを戦わせてゲーム内通貨EMONTを手にすることができるのが特徴です。

もちろん、イーサエモンのようなゲームがDAppsである必要があるのかという指摘もあります。過去にはこうしたゲームによるトランザクションの増大がイーサリアムネットワークを遅延させることも起きたためです。しかし、DAppsはこうしたゲームへの利用だけにとどまらず、現在ではDEX(分散型取引所)や予測市場への適用が進み始めています。DEXでは、秘密鍵の管理は個人に分散させ、取引所を動かすノードも分散させることで、取引所へのハッキングリスクを減らすことができるとされています。予測市場はギャンブル的な側面が強い一方で保険分野での活用も期待されています。

今後、DAppsの開発が進み、特定の管理者を持たない非中央集権型のアプリやサービスがより日常的に利用されるようになれば、現在のIT業界のエコシステム全体も大きく変わる可能性もあります。

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