自律ドローンスタートアップのジップライン、100万件の配送実現。米国でサービス拡大中

自律ドローンスタートアップのジップライン(Zipline)は、ドローンを活用して100万件の配送を達成したと発表した(*1)。次の成長段階としてレストランとの提携を視野に入れており、米国でサービスを拡大中だ。

ジップラインは史上初めて100万件の配送を達成したが、同社の自律型ソフトウェアが人間のパイロットであれば、すでに120年以上も空を飛んでいることになる。

ジップラインは2011年に設立され、米サンフランシスコを拠点に自立ドローンの設計、製造、運用を行うスタートアップだ。同社のドローンはすべて電気で動くゼロエミッションのドローンであり、世界中で妊産婦死亡率の低下、ワクチンへの迅速なアクセス、患者アウトカムの向上などのインパクトをもたらしている。

ゼロエミッション自律ドローンは現在、4大陸で7,000万マイル(1万1,200キロメートル)以上の商用自律飛行を行い、1,000万個以上の製品を届けている。クリーブランド・クリニックを含む4,700以上の病院、ウォルマートやGNCといった大手ブランドまで、幅広い顧客層と取引している。

ジップラインは複数の国で事業展開しており、70秒ごとに商用ドローン配送を行う最初で唯一の企業である。目視外の完全自律ドローン配送では米国最長の飛行距離(41マイル)を記録し、目視外の自律ドローン配送で世界最長の飛行距離(130マイル)を定期的に飛行している。

アフリカ全域で農業と動物衛生に取り組み、日本では食品配送という新たなユースケースに対応するために事業を拡大している状況だ。同社が米国で最も頻繁に配達しているのは生鮮食品、国際的には小児用の栄養補助食品とワクチンである。

セコイア・キャピタルやグーグル・ベンチャーズなどの投資家からこれまでに5億ドル以上を調達した(*2)。米CNBCが世界を変えるイノベーションを起こしている先進的かつ有望な株式非公開企業を選ぶ「Disruptor 50(ディスラプター50)」にも選出されている。

ジップラインは、目視外の商用配送業務における周辺環境認識システムが規制当局から承認されたため、現在米国で業容を拡大している状況だ。

都市や郊外の家庭に自律配送を提供するプラットフォーム「プラットフォーム2 (P2)」は今後、ベーカリーカフェのパネラブレッド、病院のメモリアル・ハーマンヘルスシステム、ジェッツ・ピザの配達にも使用される。

今後数四半期でP2の展開を開始し、向こう数年間で米国内の10州で3,000万人以上にサービスを提供する予定である。

ジップラインの共同創業者兼ソフトウェア責任者を務めるライアン・オクセンホーン氏は「近い将来、1年で100万件、1か月で100万件、1日で100万件と、100万件の配達が一般的になるだろう。10年後には、クリーンで信頼できる自律配送が、誰にでも利用できるようになっていると思う」との考えを示した(*1)。

【参照記事】*1 ジップライン「Zipline makes 1,000,000 commercial autonomous drone deliveries and expands U.S. deliveries to include Panera Bread, Memorial Hermann Health System and Jet’s Pizza
【参照記事】*2 CNBC「Drone startup Zipline hits 1 million deliveries, looks to restaurants as it continues to grow

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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