野生動物が農作物に被害を与えたり、市街地で人を襲うといったニュースが後を絶たない。動物の行動範囲は人間の生活圏に接近しているといわれ、気候変動と過疎化によって、被害の拡大が懸念されている。新潟県を中心に鳥獣害対策のコンサルティング事業を展開する株式会社うぃるこは、株式会社日本クラウドキャピタルが運営する株式投資型クラウドファンディング(CF)サービス「FUNDINNO(ファンディーノ)」で、11月13日から15日まで、募集による投資申し込みを受け付ける。目標募集額756万円、上限応募額1503万円。投資金額と株数は9万円12株から、1人5口まで。ファンディーノでは珍しい獣害対策をテーマにしたプロジェクトを紹介する。
年間850億円が獣害対策に使われている。内訳は獣害対策600億円、野生動物の車両衝突による「ロードキル」の処理費約248億円で、同社が農林水産省やNEXCOのデータを基に算出した。農業だけでも鳥獣害の被害総額は、2019年時点で約158億円に上る。ほかにも、シカが林業関係者の植えた若木を食べる林業被害、放流されたばかりの鮎の稚魚が食べられてしまう水産被害、鳥が飛行機にぶつかる「バードストライク」、アライグマによる文化財の被害など、季節や地域を選ばず様々な被害が発生している。
同社は野生動物と人間の間に生じる問題を解決することをミッションとし、生態学・狩猟学の知識と経験をもとに、各地域に合った鳥獣害対策を立案、行政担当者や農家と一緒に被害の削減に取り組んでいる。対応できる動物の範囲はほぼ全種にわたり、難易度が高い鳥害などにも対応できる捕獲技術を有する。技術の効果を被害額などの数値に置き換えて把握することが可能な「ソーシャルインパクトレポート」を発行できるのも強み。このレポートをもとにPDCAサイクルを回し、成果を出してきた。農家の被害と動物の無駄な死を減らし、人間と動物の両者にとって最善の環境を創り出し、持続可能な地域づくりに貢献していくことを目指す。
主なクライアントは、県や市町村といった行政機関。行政機関では、およそ3年ほどで担当者の部署異動がある。そのため、行政担当者にとって農家や猟友会などとの長期的な関係構築が課題になっている。同社は鳥獣害における基礎知識や応用技術などといった講習会をはじめ、地域住民の方との橋渡しや関係性構築を支援し、行政と協力して鳥獣害対策を行っている。自治体からは2000万円超の調査を委託された実績もある。さらに、創立60年以上の歴史がある電気柵メーカー、サージミヤワキ株式会社と販売店契約を締結しているほか、九州の株式会社三生とは、販売店のほか捕獲分野の技術指導兼アドバイザーとして協力を得ている。
今後は、各都道府県を対象にした鳥獣害対策講習やセミナー案件を獲得、さらに「パートナー制度」として、各地に鳥獣害対策の知見やスキルを持った人材を育てていく構想を持つ。特に若手の育成については「鳥獣害対策を仕事にしたいという若手は実はたくさんいるが、ノウハウ不足や地域に入り込んでいくのが大変で、仕事として成り立たないケースが多い。彼らにノウハウや人脈を使って活躍してもらい、農村や地方の活性化に繋げられたら」と思いを込めている。
バイアウトは2026年を予定し、売上高約1.5億円を想定する。規模は決して大きくないが、社会的意義の高いプロジェクトだ。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定の企業・商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム
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