The DAO事件の犯人が特定か

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人気ポッドキャストUnchainedを運営するLaura Shin氏が2月22日、2016年に起きた「The DAO事件」の犯人を特定したと自身のTwitterで発表した。

The DAO事件とは、スマートコントラクトで構築された分散型投資ファンド「The DAO」が調達した資金が、システムの脆弱性を突いたハッキングによって盗まれた事件である。流出した資金、約360万ETH(当時約52億円相当)は集めた資金の3分の1以上であり、暗号資産業界に波紋を広げた。

当時は、ホワイトハッカーチームの対応とハードフォークによって事態は収拾したものの、元のブロックチェーンはイーサリアムクラシック(ETC)として残る結果となった。

Shin氏は自身の著書の執筆に伴い、ブロックチェーン分析会社Chainalysisとの共同調査を行ったようだ。調査の結果、TenXの元CEOとして知られるToby Hoenisch氏がThe DAO事件のハッカーであると主張している。

調査によると、ハッカーはイーサリアムをビットコインに変換し、取引履歴の追跡を困難にするミキシングと呼ばれる処理をしていたが、Chainalysisの追跡により4つの取引所が特定されたという。ハッカーはその後、ビットコインをプライバシー性能の高い暗号資産Grinと交換し、「grin.toby.ai」というノードを通して引き出されていると示す証拠が見つかったと説明している。

この「toby.ai」という名称は、Hoenisch氏がさまざまなソーシャルメディアアカウントで使用しており、彼のメールアドレスの1つだったと言及されている。また、このノードをホストしているIPアドレスは、Hoenisch氏の会社名である「TenX」というノードもホストしている事が根拠とされた。

2016年当時、Hoenisch氏はThe DAOの技術的な脆弱性を早期に発見し、開発チームに警告を出していた。しかし、この警告が開発チームに真剣に受け止められていないと感じたため、ハッキングを決意した可能性があるとしている。Shin氏は、Hoenisch氏へ根拠の詳細を記した文書を送ったものの、Hoenisch氏は「あなたの説明と結論は事実と異なっている」と反論したようだ。

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec