世界経済フォーラムが、Play-to-Earnとして注目のGameFiに関するレポートを11月22日に公開した。Play-to-Earnのトレンドは、人々が金融機関や市場、政府などの伝統的な社会構造に対する認識を劇的に変える可能性があると評価している。
世界経済フォーラムはレポートの冒頭で、本レポートは大学を卒業したばかりの二人の若者が執筆していると説明。一人は学生ローンやバイト代、親からの支援によって学費を支払った一方で、もう一人はeスポーツで得た報酬で学費を支払ったという。
eスポーツのように、ゲームで生計を立てられるようになる時代はすでに到来しており、その発展系がGameFiだ。世界経済フォーラムによると、世界中にビデオゲームをプレイする人は約30億人いるという。
市場規模は3,360億ドルにおよぶものの、開発者やパブリッシャーがゲーム内で起こる全てのことに対して権利を有しており、エコシステムは非常に閉じられたものになっているようだ。Play-to-Earnは、この状況を激変させる可能性を秘めていると言及している。
Play-to-Earnとは、文字通り稼ぐためにゲームをプレイすることを意味する。ベトナムに拠点を置くSky Mavisによって開発されたブロックチェーンゲームAxie Infinityが火付け役となり、ブロックチェーンの大きなユースケースの一つに急成長した。特に新興国の人々の間で人気を博し、一般的な労働によって得る報酬よりもAxie Infinityをプレイすることで得る報酬の方が多くなっているという。
世界経済フォーラムは、Play-to-Earnを「自己主権型の金融システム」「オープンなクリエイター経済」「デジタル表現と所有権の概念を明確化するもの」などと表現している。ゲームの概念を再定義するだけでなく、金融システムに影響を与える可能性すら秘めていると評価した。
一方で、現状のPlay-to-Earnゲームは、ほとんどが集権的に管理されていると分析している。ゲーム内でNFTを発行するには運営の権限が必要であり、それらを取引する場所もクローズドなプラットフォームであることが多いという。
【参照記事】What play-to-earn games mean for the economy – and metaverse
株式会社techtec リサーチチーム
最新記事 by 株式会社techtec リサーチチーム (全て見る)
- 米Coinbase、NFTマーケットプレイスのβ版をリリース - 2022年4月25日
- イーサリアムが初の年間レポートを公開、16億ドルの財源やETH総発行量の0.3%を保有していることが明らかに - 2022年4月21日
- Meta、メタバースでのクリエイター向け販売手数料を47.5%に設定 - 2022年4月20日
- イーサリアム「The Merge」の実施が2022年後半に延期 - 2022年4月19日
- 「フォートナイト」運営のEpic Gamesにソニーが大型出資、メタバース事業に注力へ - 2022年4月15日