米大手暗号資産カストディAnchorage(アンカレッジ)が、米連邦保安官局(USMS)よりカストディ事業者として指名されたことを7月29日に明らかにした。米国内でマネーロンダリングなどに使用され押収された資産の管理を行う。
USMSは元々、マネーロンダリングやテロ資金供与などの犯罪に使用された現金や不動産、骨董品といった資産を対象に押収および保管業務を行なってきた。近年、ビットコインなどの暗号資産を含むデジタル通貨もその対象に含めるようになっている。
Anchorageの発表によると、USMSとの1年以上にわたる採択期間を経てカストディ事業者として選ばれたという。USMSは、Anchorageの前にGalaxy Digital傘下のBitGoと契約していた。
USMSのカストディを担当する企業として、主に次の業務を実行するという。
- 暗号資産の保管(カストディ)
- 顧客管理
- 会計監査およびコンプライアンス
- フォークしたブロックチェーンの管理
- ウォレットの作成
- トークン資産の変換
Anchorageは、2021年初旬にa16zなどから8,000万ドルの資金調達を行なっていた。同時期には、暗号資産企業として米国で初めて国法銀行としてのライセンスを所得している。
国法銀行としてのライセンスを取得したことで、米国全土で銀行業を営むことが可能だ。これにより、これまで金融機関が担っていた役割を自社で行うことができるようになり、暗号資産以外にも顧客の資産を管理することができるようになっている。
今回の発表に際してAnchorageは次のようにコメントした。「我々は、設立当初よりデジタルアセットにおける消費者保護とコンプライアンスの推進に尽力してきました。今回USMSに我々のサービスが採用されたことを誇りに思っています。」
USMSは2014年以降、押収したビットコインをオークションにかけて販売してきた。これまでに、計185,000BTCものビットコインを売却しているという。
【参照記事】US Marshals Choose Anchorage Digital to Custody, Service Seized Digital Assets
株式会社techtec リサーチチーム
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