ユニ・チャーム、2030年までに再生電力比率100%、使用済み紙おむつの再生事業開始へ

ユニ・チャーム株式会社は10月22日、ユニ・チャームグループ中長期ESG(環境・社会・ガバナンス)目標「Kyo-sei Life Vision 2030 ~For a Diverse, Inclusive, and Sustainable World~ 」を発表した。2050年に「共生社会」が実現されると仮定して、2030年を目標年に、重要取り組みテーマ・指標・目標を設定している。この中で、環境問題に配慮した「地球の健康を守る・支える」というテーマで、①環境配慮型商品の開発②気候変動対応③リサイクルモデルの拡大④商品のリサイクル推進⑤プラスチック使用量の削減――の5項目を掲げた。気候変動対応では、事業展開に用いるすべての電力に占める再生可能電力の比率を100%まで高めるという目標値を設定。商品のリサイクル推進では、資源を循環利用した不織布素材商品のマテリアル・リサイクルの実施、プラスチックに占めるバージン石化由来プラスチックの比率を半減(20年比)させるという目標を盛り込んだ。

同ESG目標では、「ユニ・チャーム プリンシプル」(全てのステークホルダーから信頼を得られるような公正で透明性の高い企業運営を目指すこと)をベースに、「私たちの健康/社会の健康/地球の環境」を「守る・支える」ための課題と目標を整理。衛生・生活用品メーカーとして企業理念の「NOLA&DOLA (Necessity of Life with Activities & Dreams of Life with Activities)」と「共生社会」の実現に取り組む姿勢を明示する。

策定にあたっては、2050年に共生社会が実現されると仮定して「理想の将来像」を具現化し、この将来像と現状のギャップを埋めるために必要なアプローチを整理。重要課題(マテリアリティ)の特定、重要取り組みテーマ・指標・目標を設定するというプロセスをとった。ビジョンを着実に実行することによって、環境問題や社会課題の解決への寄与、消費者や地域社会への貢献、継続的な事業成長などを同時に実現することを目指す。  

特に注目を集めたのは、使用済みの紙おむつを新たな紙おむつに再生する新事業。回収品から原料のパルプを取り出して再び紙おむつを生産するもので、高齢化に伴う紙おむつの消費増を予測した対策。自治体と協力し使用済み紙おむつを回収する。回収品は同社のリサイクルプラントでパルプを取り出し、製品に再利用する。2030年までに全国10カ所以上で同様の設備を設ける計画だ。

すでに鹿児島県志布志市と大崎町で実験プラントが稼働しており、ほぼ新品同様にまでパルプが再生され、理論上は10回ほど紙おむつに再生可能という。20年度中に東京都でも試験的に運用する。

発表を受け、23日に同社の株価は一時、前日比71円(1.4%)高の5119円となり、株式分割を考慮したベースで上場来高値をつけた。

【参照リリース】ユニ・チャームグループ中長期ESG目標「Kyo-sei Life Vision 2030」を発表

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HEDGE GUIDE編集部 ESG投資チーム

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