東京都は1月24日、「東京金融賞」の受賞者を発表した。都は2017年11月、“東京が世界に冠たる国際金融都市として輝くために、目指すべき都市像、今後実施していくべき具体的施策”として「国際金融都市・東京」構想を発表。同賞はその中の1つの施策で、都民のニーズなどの解決に資する画期的な金融商品・サービスの開発・提供を行う金融事業者、およびESG投資の普及を実践する金融事業者を「金融イノベーション」「ESG投資」の二部門で表彰する。このうちESG投資では三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、新生企業投資株式会社、S&P Dow Jones Indices(ダウ・ジョーンズ・インデックス) LLCの3社が受賞した。
ESG投資の普及に向けた活動として、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は「国内マーケットにおけるESG債普及への貢献」として グリーンボンドマーケットにおいて国内1位の4分の1超のシェアを獲得している点、グリーンボンド・ストラクチャリング・エージェントの就任件数についても国内1位である点、国内ESG債マーケットの創成期からのパイオニアとして、マーケットの発展に貢献している点、グリーンボンドのフレームワークの策定などを通じて、グリーンボンドの発行支援を行う点が評価された。
新生企業投資は「子育て・介護支援ファンド組成を通じたインパクト投資の実践」として、社会課題解決に対する取り組みとして、邦銀系初のインパクト投資ファンドを組成した点、都民にとって身近で分かり易い課題を選定するとともに、ファンドの社会的なリターンと経済的なリターンも両立している、経済的リターンと社会的リターンの両立を目的とする投資スタイルが挙げられた。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは「温室効果ガス削減を目的とした指数の開発」が挙げられる。温室効果ガス削減を目的とした日本株式及び外国株式の指数をGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が環境株式指数として採用し、約1.2兆円規模で運用を開始している。また、指数構成企業に対して炭素効率性の改善を奨励するとともに、エンゲージメントなどを通じて企業の環境問題に対する意識向上・改善を図っている。
2月12日(水)午後2時より六本木ヒルズ森タワー49階タワーホールで表彰式が行われる。なお、都が同賞に関連して都民にSG投資に関連する社会課題の関心についてのアンケートを行ったところ、関心が高いテーマの1位は気候変動(地球温暖化、二酸化炭素排出、エネルギー効率化、環境汚染)、2位が環境市場機会(クリーンテクノロジー、再生可能エネルギー)、3位が人的資本(労働管理、女性活躍推進、ダイバーシティ推進、人的資源開発)となった。
【参照記事】東京都主催「東京金融賞2019」審査概要
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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