イーサリアムの開発を主導するイーサリアム財団は3月14日、大型アップデート「The Merge」をテストネット「Klin」で実行したことを発表した。
イーサリアムは、これまでのPoWからPoSへ移行するためのアップデートを進めている。PoSに移行する目的は、主に環境面の負荷軽減だ。PoWは、電力消費の激しいマイニングを必要とするため、環境への負荷が度々指摘されてきた。PoSに移行することで、99.9%以上の電力消費が抑えられるとの試算も出ている。
イーサリアム財団は、昨年12月にテストネット「Kintsugi」上でのThe Mergeの稼働を発表していた。今回新たに導入されたKilnは、最新のテストネットであり、Kintsugiに継ぐ環境となる。イーサリアム財団は、Klinがメインネットに移行する前のThe Merge用の最後のテストネットになる予定だとしている。
現在、イーサリアムの開発の進捗状況は全体の50%が完了しており、2014年に始まって以降7年以上の月日が経過している。残りの50%は、今回のThe Mergeに続き、「The Suge」「The Verge」「The Purge」「The Splurge」によって構成される。The Mergeが実装されると、全体の60%が完了するという。
現時点でKilnではいくつかの不具合が出ているものの、ブロック生成には成功したことが報告された。なお、The Mergeがメインネットにローンチされる時期は明確にはされていない。イーサリアム財団は、もしThe Mergeのローンチ時期を指定する情報があった場合、それは正しくないものであるとして注意を促した。
The Mergeにおけるテストネット「Kintsugi(金継ぎ)」と「Kiln(窯)」は、いずれも日本の文化にちなんで付けられた名称だという。日本の伝統芸能に由来するアップデートということもあり、日本のイーサリアムコミュニティは積極的にThe Mergeに関する情報を集めていきたいところだ。
【参照記事】Announcing the Kiln Merge Testnet | Ethereum Foundation Blog
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