タイ政府は3月8日、暗号資産取引に対する税制を緩和することを発表した。暗号資産の取引量が急増する同国で、暗号資産業界の発展につなげる狙いだ。ロイター通信が報じている。
税制緩和により、投資家は政府に認可された取引所を利用して取引を行った場合、7%の付加価値税(VAT)の免除を受けられるようになる。また、年間損失を利益と相殺することも可能になるようだ。Arkhom Termpittayapaisith財務大臣が記者会見で述べた。
免税措置は2022年4月から2023年12月まで有効である。タイの中央銀行が発行する中央銀行デジタル通貨(CBDC)も対象となる予定だ。タイにおける中央銀行デジタル通貨は、2022年後半に実証実験が計画されている。実験には金融機関と1万人程度の一般利用者が参加し、預け入れや引き出し、送金などが行われるという。
また、Arkhom財務大臣は政府がスタートアップへの直接・間接投資に対する減税も承認したと述べている。スタートアップに2年以上の投資を行った投資家は、2032年6月までの10年間、減税措置を受けられるとのことだ。
タイでは昨年から暗号資産取引が盛り上がりを見せている。財務大臣によると、暗号資産取引の口座数は2021年の始めは17万件ほどであったが、年末には約200万件にまで増加したという。
また、同国では暗号資産による決済が可能なサービスも増加しているようだ。こういった状況を受け、タイの金融規制当局は1月25日、暗号資産を利用したサイバー犯罪やマネーロンダリングなどへの対策が必要であるとの共同声明を発表している。
タイ政府は1月末に、暗号資産から生じる利益に対して15%の課税をかける計画を中止したことを発表していた。暗号資産業界から「過度な課税により業界の成長が抑制される可能性がある」などの批判を受けたことが理由だという。
タイのメディアPattaya Mailの3月8日の報道によると、タイ政府はデジタルエコノミーを推進するためにブロックチェーンを支援する方針を示しているとのことだ。
【参照記事】Thailand approves relaxed tax rules for digital assets | Reuters
株式会社techtec リサーチチーム
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