電解槽製造スタートアップの独サンファイア(Sunfire)は3月5日、シリーズE(資金調達ラウンド)で2億1,500万ユーロと、欧州投資銀行(EIB)からのタームローンの合計3億1,500万ユーロ(約510億円)を調達した(*1)。グリーン水素技術の成長と産業化の加速を目指す。
この資金調達に加え、既に承認された未使用の約2億ユーロの助成金を含めると、合計5億ユーロ超の資金を確保した。これにより、サンファイアは業界で最も資本力のある電解槽メーカーの1つとなった。
今回の投資ラウンドには、アマゾンのクライメート・プレッジ・ファンドなどの既存投資家が出資額を拡大したほか、欧州プライベートバンク(PB)大手LGTやシンガポールの政府系ファンドGICなどが新たに加わった。
サンファイア社のニルス・アルダグ最高経営責任者(CEO)は「今回の多額の資金調達は、水素製造における欧州の主導的役割と欧州のクリーンテック産業にとって朗報だ。この新たな資本により、電解技術に対する急成長する需要を満たすべく、我が社の成長と産業化計画を更に加速させることができる」と述べた(*1)。
また、資金調達の多様化に関するコミットメントに沿い、EIBからも最大1億ユーロの融資を受け、固体酸化物形電解槽の開発と産業化を促進するための能力を増強した。
アルダグCEOは「EIBからの融資は、我が社がベンチャーデッド市場へのアクセスにも成功したことを示している。継続的かつ拡大する投資家の支援と共に、次世代の電解槽の生産規模を拡大する自信を与えてくれている。このような投資は、メイド・イン・ヨーロッパ”を野望から現実のものとする一助となる」と述べた(*1)。
サンファイアは、加圧アルカリおよび固体酸化物形水電解技術(SOEC)を活用した工業用電解槽メーカーのグローバルリーダーだ。これらの技術は、再生可能エネルギーへの移行を可能にする重要なものであり、グリーン水素を製造するスケーラブルで効率的な手段を提供する。同社の革新的で実績のある電解技術は、現在、化石ベースの石油、ガス、石炭に依存している炭素集約型産業のエネルギー転換を可能にする。
サンファイアは、2030年までに数ギガワット(GW)級の電解槽を大規模なグリーン水素プロジェクトに導入することを目標としており、急成長する世界の電解槽市場で主導的地位を確保している。
【参照記事】*1 サンファイア「SUNFIRE SECURES MORE THAN EUR 500 MILLION TO ACCELERATE ITS GROWTH」
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