三井住友DSアセットマネジメント株式会社は3月30日、追加型株式投資信託「イノベーティブ・カーボンニュートラル戦略ファンド」を新規設定したと発表した。世界の取引所に上場している株式から、脱炭素化(カーボンニュートラル)社会実現に向けた取り組みやイノベーションに貢献する企業、あるいはその恩恵を受けることが期待される企業の株式に投資を行う。販売はSMBC日興証券株式会社。カーボンニュートラルを主題にした公募投資信託は、同ファンドが国内初といい、脱炭素への関心が高まる中、個人投資家の取り込みを図る。
世界で異常気象が頻発し、主因とされるCO2などの温暖化ガスの排出量削減が急務となるなか、世界は脱炭素社会の実現に向けて動き出し、さまざまな産業で技術革新(イノベーション)のペースが加速している。「イノベーションを生み出す企業は、 カーボンニュートラルの達成に貢献するソリューションを提供することで、今後の収益が拡大すると期待している」と同社。
特に2020年は中国と米国が脱炭素社会への転換を表明したことで、世界はカーボンニュートラルに向けて大きな一歩を踏み出した。グローバルで活躍する巨大企業の多くは、持続可能な成長を目指し、カーボンニュートラルへの取り組みを本格化している。この流れが取引先企業に波及することで、 カーボンニュートラルは大きなうねりとなっている。
同ファンドでは、特に注目される①クリーン・エネルギー生成②交通・輸送の変革③産業用エネルギー転換の3分野で成長が期待できる、世界の企業の株式に投資していく。同社によると、間接的にカーボンニュートラルの達成に寄与する投資テーマをうたったファンドは他にもあるが、カーボンニュートラルを主題とするファンドとしては国内で前例がないという。「今後も顧客の資産形成の役に立てる投資信託の運用、 設定を行っていく」としている。
実質的な運用は、テクノロジー・イノベーションとクリーン・エネルギーに関連する企業の投資戦略に強みをもつ、アリアンツ・グローバル・インベスターズU.S.LLCに運用の指図に関する権限の一部を委託する。同社はドイツのアリアンツ・グループ傘下の運用会社。アリアンツ・グローバル・インベスターズは世界最大級の保険会社で125年以上の歴史を持つアリアンツ・グループの一員として、グローバルに資産運用業務を行っている。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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