投資会社Silva Capitalは8月12日、新たに自然ベースのカーボンクレジットファンドである「Silva Carbon Origination Fund」の立ち上げを発表した(*1)。森林再生と持続可能な農業を通じ、高品質なオーストラリアのカーボンクレジット(ACCU)へのアクセスを提供する。
ファンドの立ち上げとともに、英豪リオ・ティント、オーストラリアの資源大手BHPグループ、同カンタス航空が共同で8,000万豪ドル(約77億7,000万円)投資したファーストクローズ(第1次資金募集完了)を実施した。
カンタス航空のアンドリュー・パーカー最高サステナビリティ責任者(CSO)は「航空業界のような排出削減が困難なセクターにとって、高品質なカーボンオフセットは、気候変動目標を達成する上で重要な役割を果たすだろう。カーボンオフセットの需要は今後も伸び続けると予想され、高品質で高い信頼性を備えたカーボンクレジットの利用可能性を高めるためには、業界を超えたパートナーシップが必要である」と述べた(*1)。
Silva Carbon Origination Fundは、最終的に2億5,000万豪ドルの資金調達を目指す。同ファンドは高品質のACCUを創出・管理することを目的とし、森林再生や持続可能な農業から生み出されるACCUを投資家に提供する、オーストラリアで最初のファンドの1つである。
同ファンドは、オーストラリアの農地に投資し、伐採された土地を再植林することで大規模な炭素隔離プロジェクトを開発する一方、その土地の農業生産性を維持する。プロジェクトは、強固なカーボンクレジット手法を採り入れ、地域社会に利益をもたらす農業活動や生息地の回復と生物多様性の保護も促進する。
世界が気候目標を達成するためには、炭素貯留と排出削減技術を併用し、2050年までに気候中立を実現しなければならない。そのような中、オーストラリアは規制目標や自主的な目標を達成すべく、市場参加者が今後数年間で炭素市場に参入し続けるため、急速に発展するだろう、とSilva Capitalは見ている。
Silva Capitalのラフ・ウッド共同マネージングディレクターは「カーボンクレジットの創出戦略を通じて、成熟前のオーストラリア市場に参入し、プロジェクトや業界により広く直接投資するチャンスが到来した」と述べた(*2)。
Silva Capitalは、投資会社Roc PartnersとC6 Investment Managementのジョイントベンチャーである。脱炭素関連の豊富な経験と農業投資の高い専門性を結集し、脱炭素関連の金融商品を提供しており、ACCUを創出する高品質な炭素削減プロジェクトの組成に注力している。
【参照記事】*1 Qantas「QANTAS INVESTS IN NEW NATURE-BASED CARBON CREDIT FUND」
【参照記事】*2 Silva Capital「High Integrity Carbon Origination」
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