コミュニティソーラー(#1)事業を手掛けるPivot Energyは8月8日、米マイクロソフトと、2025年から29年までの5年間で最大500MWacの太陽光発電プロジェクトを開発する契約を締結したと発表した(*1)。
今回の取り組みは、両社にとって地域レベルでの再生可能エネルギーへの移行による環境的・社会的ベネフィットを最大化するというコミットメントをサポートするものだ。
Pivot Energyにとっては、今回が同社最大規模の再エネ証書(REC)の販売契約であり、地域社会に最も大きなインパクトをもたらし得る協業となる。マイクロソフトにとっては、初の大規模な分散型発電ポートフォリオであり、顧客の電力使用量と再エネ発電量をマッチングさせることで、30年までにスコープ3排出量を半減以下にするという同社の目標をサポートする。
今回の契約により、Pivotはコロラド州、メリーランド州、イリノイ州など20州にわたる約100のコミュニティで、約150の太陽光発電プロジェクトを開発する。マイクロソフトはプロジェクトのRECを20年間購入する。最初のプロジェクトは24年末までに稼働する予定だ。
20年間で500MWac発電することは、年間10億キロワット時以上の電気を生み出すことになり、年間約9万世帯分の電力に相当する。毎年約16万5,000台のガソリン乗用車を道路から排除することにつながる。
Pivotはマイクロソフトとの協業により、各太陽光発電プロジェクトはコミュニティに多大な利益をもたらすことになる。コミュニティを中心とした4つの包括的な取り組みも行う。
具体的には、①下請け業者の多様性を高める、②労働力開発関連の組織や下請け業者と提携して地元の多様な人材を育成・雇用する、③Sustain Our Future Foundationと提携して公平なコミュニティ形成に向けた投資する、④低所得者を対象としたコミュニティソーラープロジェクトのエネルギー料金の節約額を増やす。
Pivotのトム・ハント最高経営責任者(CEO)は「クリーンな分散型エネルギーを利用する経済は、低コストで電力を供給するだけでなく、全米のコミュニティの成長と成功を促進することができる。マイクロソフトとの提携は、分散型発電が持つパワーとインパクトを例証するものだ」と述べた(*1)。
Pivotは再エネの独立系発電事業者(IPP)として、太陽光発電や蓄電プロジェクトの開発、建設、所有、管理を行う。B Corp(#2)でもあり、環境スチュワードシップ、ソーシャルリーダーシップ、責任あるガバナンスの各要素によって測定される社会へのポジティブインパクトをもたらすことを目的とした戦略を採る。
同社は、再エネ関連企業への投資を手掛ける米投資ファンドのエナジー・キャピタル・パートナーズ(ECP)のポートフォリオ企業である。
(#1)コミュニティソーラー…米国各州で設けられる分散型太陽光発電導入支援制度に基づき、主に民間事業者により設置・運営される太陽光発電設備。
(#2)B Corp…社会や公益のための事業を行っている企業に発行される国際的な民間認証制度。
【参照記事】*1 Pivot Energy「Pivot Energy Collaborates with Microsoft to Develop Up to 500 MWac of Community-Scale Solar Projects that Will Deliver Significant Benefits to Local Communities」
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