シュローダーは5月9日、「エンゲージメント・ブループリント」を発表した。アクティブ・オーナーシップに関する新しい基準と、株式・債券ファンドマネジャーおよびアナリストのエンゲージメント(企業と対話し企業価値向上に資する行動を促す取り組み)における目標を示す内容。アクティブ・オーナーシップとは、投資資産の価値を守り、さらに高めるため、株主として投資先企業の行動に積極的に影響を与えること。
エンゲージメント・ブループリントの中核テーマとして設定されたのは、気候変動、コーポレートガバナンス、ダイバーシティ&インクルージョン、人的資本管理、人権、自然資本と生物多様性の6つ。
ファンドマネジャーとアナリストは、企業とエンゲージメントを行う際、エンゲージメント・ブループリントに記された6つの中核テーマから選択できる。こうしたエンゲージメント重視の姿勢は、「アクティブ・オーナーシップが顧客のための超過収益獲得に役立つ」というシュローダーの信念を反映したものだという。
同社は、本社を置く英国で投資先企業に対しエンゲージメント・ブループリントに関する書面を送付。今後は海外にも展開する計画で、顧客のポートフォリオにサステナビリティを統合し、アクティブ・オーナーシップを重視する姿勢をさらに強化していく意向。
さらに「企業、顧客、その他の主要なステークホルダーに、アクティブ・オーナーシップの優先順位について透明性を確保することは重要。これにより、顧客は当社が顧客に代わってどのようにアクティブ・オーナーシップの責任を果たそうと計画しているかを理解し、企業は、弊社が注力している主要な分野を理解することができる」と意義を説明。「取締役会が主導して、株主の権利と、重要かつ長期的なサステナビリティ課題について、株主および長期債保有者双方との建設的なエンゲージメントを受け入れることを企業に期待している」とコメントしている。

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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