イーサリアムのサイドチェーンであるPolygonが、新たなスケーリングソリューション「Plonky2」を1月10日にリリースした。ゼロ知識証明を活用したイーサリアム互換のリカーシブルなSNARK要素を持つ技術になるという。
SNARKとは、「Succinct Non-interactive ARgument of Knowledge」の略で、データの内容を明らかにすることなくそのデータの真偽を証明することが可能な暗号技術だ。SNARKを取り入れることで、他のスケーリングソリューションよりも100倍の処理性能を実現できるという。
Plonky2は、12月9日に発表されたPolygonによるMirの買収に端を持つ。Mirはもともと、ZK-Rollupsの研究開発を行っており、Polygonにより4億ドルで買収されて以降Polygon Zeroに名称を変えて開発を続けてきた。
ゼロ知識証明を使用したイーサリアムのスケーリングソリューションには、セカンドレイヤーに分類されるLoopring、Starkware、zkSyncなどが存在する。これらと比べてPlonky2の特徴は、スマートコントラクトによる複雑なトランザクションを検証可能な点になるという。
これまでは、フラッシュローンやアービトラージなど一度のトランザクションで複数のアセット移動が発生するものの場合、セカンドレイヤーでは信憑性を検証することは不可能だった。Plonky2ではこれが可能になるという。さらに、検証はMacBook Proを使ってわずか0.17秒で実現できることも主張している。
Polygonは、2021年8月にゼロ知識証明を活用したスケーリングソリューションへの注力を発表していた。この構想の元でMirを買収し、今回のPlonky2リリースを実現している。
イーサリアムのスケーラビリティ問題に伴いガス代が高騰する中、Polygonをはじめとするサイドチェーンやセカンドレイヤーに分類される多くのソリューションが次々と台頭しており、今後はそれらの差別化競争が激化することが予想される。
【参照記事】Introducing Plonky2 — Polygon | Blog
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