Optera、サプライチェーン排出量管理ツールをアップデート。施設レベルの排出量データの取り込み機能など搭載

サステナビリティ管理ソリューションを提供するOpteraは10月31日、スコープ3のデータ収集および排出量管理ツールであるサプライチェーン・マネージャー(Supply Chain Manager)をアップデートしたと発表した(*1)。

企業は、サプライチェーンの排出量をこれまで以上に詳細かつ正確に報告するよう、ますます強い圧力にさらされている状況だ。欧州連合(EU)の企業持続可能性報告指令(CSRD)やカリフォルニア州の気候関連企業データ開示法(CCDA)などの規制が施行されることで、企業はスコープ3カテゴリー1の排出量を管理し報告するためのより優れたツールを必要としている。

そのような中、Opteraはバリューチェーン全体で気候変動対策を推進しながら、新たな要件に効率的に対応できるよう支援することを目的とした、次世代のサプライチェーン・マネージャーをリリースした。

サプライチェーン・マネージャーは、複雑なサプライチェーンの脱炭素化を目的に、スコープ3の包括的なデータおよび排出量を管理するツールだ。世界中のサプライヤーの排出量データを収集、保存、予測し、ネットゼロ目標に向けた対策を推進するために必要なデータと洞察を提供する。

Opteraのデータベースにある1万社超のサプライヤーのデータを自動的に取得するとともに、サプライヤーと直接やりとりして追加データを入手し、推定値や平均値などを用いてスコープ3排出量の全体像を把握することができる(*2)。

サプライヤーのスコープ3排出量を購入した商品やサービスの計算に割り当てることが可能なほか、CSRD、EU炭素国境調整メカニズム(CBAM)、およびその他のスコープ3規制基準を順守する。すべてのデータソースと方法論がプラットフォーム内で明確に文書化されているため、サードパーティの検証情報もシームレスに提出できる。

さらに、排出リスクと削減量が最も大きいサプライヤーを特定する。データ品質、目標、行動に関するカスタマイズ可能なサプライヤー基準を設定し、サプライチェーンのセグメント化とカスタマイズされた活動計画の策定に活用することも可能だ。

シスコシステムズやデル・テクノロジーズ、ヒューレットパッカード、エヌビディア、オンセミなどが顧客として名を連ねる。

Opteraの最新調査では、サプライヤーの関与が企業の持続可能性にとっていかに重要になっているかが示されている。例えば、7割のサステナビリティの専門家が、脱炭素化に向けてサプライヤーと積極的に協力している。

アップデートされたプラットフォームでは、サプライヤーからの施設レベルおよび事業単位の排出量データを取り込み、排出量の計算、排出源、排出係数のマッピングを表示することで計算の透明性を高められる。

サステナビリティチーム、利害関係者、監査人向けにデータの追跡可能性をサポートする機能、最も一般的な報告フレームワークでの提出を合理化し迅速化する自動レポート機能も搭載した。部門横断的なチーム間のコラボレーションを促進すべく、ユーザーインターフェースも刷新した。

【参照記事】*1 Optera「Introducing the next generation of Supply Chain Manager
【参照記事】*2 Optera「Supply Chain Manager

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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