暗号資産リサーチ企業Delphi Digitalが、NFTに特化したオンチェーンファンドを立ち上げたことを5月14日に発表した。NFT特化のオンチェーンファンドとしては世界初になるという。
Delphi InfiNFTと呼ばれる今回のファンドでは、分散型投資プロトコルSyndicateをベースに構築されるとしている。オンチェーンファンドは、一般的なベンチャーキャピタルのファンドとは異なり、基本的に全てのアクションがスマートコントラクトによって実行される。
例えば、預金やキャップテーブル、資金分配、資金管理、レポーティングなどの業務がスマートコントラクトによって行われる仕組みだ。投資対象はトークンが基本となり、ブロックチェーン業界ならでは投資スキームということになる。
Delphi DigitalでCOOを務めるAnil Lulla氏は、オンチェーンファンドの特徴について「ファンドの投資行動を誰でも閲覧することができる点にあります。」と言及した。従来のファンドの場合、どのような評価額でいくら投資したのかを完全に透明にすることは難しい。
財務諸表や登記簿謄本を取り寄せることである程度把握することはできるものの、一般的にはそういった手段は現実的ではないだろう。オンチェーンファンドであれば、全てがスマートコントラクトで実行されるため、投資額のトランザクションをいつでも参照することが可能だ。
Delphi InfiNFTでは、平均25万ドルを1ヶ月あたり3~5回のペースで計20のプロジェクトへ投資していく予定だという。具体的には、NFTマーケットプレイスやDAO、ソーシャルトークン、NFTのインフラストラクチャなどを投資対象としてあげている。
支援者には、IDEO CoLab VenturesやCompoundのCalvin Liu氏、AxieInfinityのJeffrey Zirlin氏、FractionalのAndy Chorlian氏が名を連ねた。
Delphi Digitalは、「NFTのハイプサイクルは終了したと考えている人もいますが、このテクノロジーが長い期間を経て社会に影響を与えないと考えるのは間違っています。」とTwitterに投稿した。
【参照記事】DELPHI INFINFT – Syndicate
株式会社techtec リサーチチーム
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