米資産運用会社によるブロックチェーンVCファンド、年金基金などから約44億円の資金を調達

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米国の資産運用会社のMorgan Creek Digital(モルガン・クリーク・デジタル)は、ブロックチェーン業界向けのVCファンド設立のため、約4,000万米ドル(約44億3,000万円)の資金調達を行った。仮想通貨・ブロックチェーンメディアThe Blockが2月12日付けで報じている。

The Blockによると、2つの年金基金と大学基金、保険会社や民間財団を含む複数の投資機関がMorgan Creek Digitalへの出資に応じたことが報じられている。モルガンの創業者Anthony Pompliano氏によると、同社が当初目指していた目標金額は2,500万米ドル(約27億6,000万円)であったが、目標を上回る資金調達に成功した。同ファンドは、ブロックチェーン分野で活躍するシードステージ企業に対して、株式ベースでの投資を行うとしている。Morgan Creek Digitalは過去、米国最大級の仮想通貨取引所であるCoinbaseやNYSE(New York Stock Exchange:ニューヨーク証券取引所)の親会社ICE(Intercontinental Exchange:インターコンチネンタル取引所)が設立した仮想通貨取引所Bakktに投資した実績ももっている。

今回Morgan Creek Digitalのファンドに投資を行った2つの年金基金は約50億米ドル(約5,500億円)以上を管理しており、運用規模から考えれば同ファンドへの投資額を微々たるものだ。しかし、Anthony Pompliano氏が仮想通貨メディアCoinDeskに語ったところによると、彼が知る限りでは過去に公的年金基金から資金調達をしたブロックチェーンファンドはないとのことで、Morgan Creek Digitalの資金調達事例はブロックチェーンへの注目が高まっている証左とも言える。

同氏は昨年末、Mediumで「すべての年金基金がビットコインに投資するべきだ」と題した記事を投稿していた。同氏によると、年金基金の収入源となる労働者やその支払いが減少していることにより、世界中の年金基金は重大な危機に直面しているという。この解決策として、同氏はビットコインのハイボラティリティな側面も踏まえつつ、「他のアセットとも相関しない収益性の高い投資先としてビットコインを購入するべきだ」と主張している。

同氏の考察が反映されるかたちでMorgan Creek Digitalは年金基金からの資金調達にも成功した。ビットコインは本来、金融包摂の文脈で広く遍く金融サービスを広げることを目指したが、年金基金を危機から救い、ビットコインが本来目指したよりも多くの人々を救う「救世主」となるのか。低迷を続けた仮想通貨市場だが、その未来に期待する人々はいまだに多いのかもしれない。

【参照記事】Morgan Creek Digital raises over $40M for a venture capital fund
【参照記事】Every pension fund should buy Bitcoin

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。