決済大手のMastercardは10月25日、デジタルアセットサービス企業のBakktと提携し、銀行や加盟店向けに、暗号資産関連サービスを導入できる「CaaS (Crypto-as-a-Service)」の提供に向けて準備を進めていることを発表した。
この取り組みの目的は、暗号資産機能への迅速なアクセスを提供することだ。銀行、加盟店、フィンテック企業などをはじめとするMastercardの顧客は、暗号資産の売買や保有、独自のロイヤルティ機能、暗号資産対応のクレジットカードの発行などが可能になるという。
Bakktは、インターコンチネンタル取引所が2018年に立ち上げたデジタルアセットサービス企業であり、今月18日にニューヨーク証券取引所に上場したばかり。投資家の代わりに資産を保有・管理するカストディ業務をBakktが担うことで、一般企業にとって大きなハードルとなるデジタルアセットの扱いをサポートする。
また、Mastercardは、ロイヤルティ商品に暗号資産を統合することを計画しており、パートナー企業が暗号資産を報酬として提供可能となることも発表した。これにより、一般消費者は従来のロイヤルティポイントの代わりに、獲得した暗号資産を買い物の支払いなどに充てることができるようになる。
Mastercardのデジタル・パートナーシップ担当のSherri Haymond氏は「Bakkt社と協力し、より多くの選択肢、価値、インパクトを与え、幅広い決済ソリューションを用意することで、デジタルアセットの新たな消費者体験を提供していきます。」とコメントした。
Bakktが実施した米国の消費者2,000人を対象とするアンケート結果によると、回答者の48%が「2021年上半期に暗号資産を購入する」と答え、そのほかの32%は「年末までに購入することを検討している」と回答。
また、Mastercard New Payments Indexによると、ミレニアル世代の77%が「暗号通貨についてもっと知りたい」と答えている。
【参照記事】Mastercard and Bakkt Partner to Offer Innovative Crypto and Loyalty Solutions
株式会社techtec リサーチチーム
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