不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」等の住生活関連サービスを提供する株式会社LIFULL(ライフル)は3月10日、グループ会社である株式会社LIFULL Social Fundingとデジタル証券プラットフォームを提供するSecuritize inc.と協働で、空き家の利活用等への投資における不動産セキュリティトークン発行(STO:Security Token Offering)スキームの実証実験を実施した。
同実証実験では、空き家の地方創生型不動産クラウドファンディングを広く推進する基盤の構築を目的に、ブロックチェーン技術適用による不動産ファンドにおけるオペレーションの自動執行・透明性担保について検証を行った。スマートコントラクトを利用することで、銀行API(GMOあおぞらネット銀行株式会社)から取得した入金データをトリガーとしたセキュリティトークンの分配、セキュリティトークンの持分比率に応じて配当・償還を自動執行し、運用コスト圧縮を図る狙いだ。また、改ざん耐性のあるパブリックチェーン(Ethereumメインネット)において、上記スマートコントラクトの動作および資金・トークンの流れを投資家および第三者が確認可能となる。
全国の空き家対策として、リノベーションや他用途への転用を積極的に進め、不動産価値の維持向上を図る必要があるが、一般的に建物担保評価の低い古家は金融機関からの借り入れによる資金調達が難しいという課題がある。この課題の解決策として地方創生型不動産クラウドファンディングの活用が進められている。この不動産ファンドは組成・運用のコストを吸収するため、ファンド規模を大型化する傾向にある。空き家等の小規模不動産ファンドの場合にも、一連のコスト発生が新たな課題となるため、ブロックチェーン技術の適用が解決策になると同社は考えているという。
同社は、本実証で得られた結果を踏まえ、今後は来年度改正施行予定の金融商品取引法や不動産特定共同事業法等の法令下における不動産セキュリティートークンファンドの組成検討・検証を進めていく考えだ。
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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