花王、「アタック ZERO」で100%再生PETボトルを採用。石油由来プラから転換へ

※ このページには広告・PRが含まれています
アタック

花王株式会社はこのほど、2021年4月10日に改良新発売する衣料用濃縮液体洗剤「アタック ZERO(ゼロ)」4品と、同年4月3日に改良新発売する食器用洗剤「キュキュット Clear(クリア)泡スプレー」3品において、100%再生プラスチック(PET)を使用したボトルを採用することを発表した。同社は2025年までに、使用量の多い国内日用品のPETボトルをすべて100%再生PETに変更(着色剤・ラベルフィルム・ポンプ・キャップは除く)していく。

近年、プラスチックごみが社会課題となるなかで、同社では商品設計の初期段階からESG視点を念頭に置いた技術開発を進めている。これまで、海外で展開している一部商品で再生PETを使用してきたが、日本の包装容器における本格的な活用は今回が初めてだと同社は発表している。

花王グループは日用品メーカーの責務として、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷低減に積極的に取り組んできたとしている。同社は2018年に「私たちのプラスチック包装容器宣言」を発表し、リデュース(減らす)・リプレイス(置き換える)・リユース(再利用する)・リサイクル(再資源化する)の4Rの観点で、包装容器に使用するプラスチック資源の削減に努めていくことを提示した。これまでに、プラスチック使用量を大幅削減する「プラスチックボトルレス化」などの「リデュース」、詰め替え・付け替えの促進による「リユース」、再資源化しやすい包装容器を開発する「リサイクル」に取り組んできた。これらに加え、今回の再生PETの活用を通じて、石油由来プラスチックから持続可能な原料への転換を図る「リプレイス」を推進していく考えだ。

2019年4月、花王グループはESG戦略「Kirei Lifestyle Plan(キレイライフスタイルプラン)」を策定し、19の重点取り組みテーマと注力アクションを設定した。今回の再生PETの活用は、同テーマのなかの「ごみゼロ」に貢献する活動であるとしている。2019年9月には「リデュースイノベーション」と「リサイクルイノベーション」に基づくさまざまなアプローチを通じて、プラスチック循環社会の実現を目指すことを発表した。この目標を達成すべく、上記のアプローチに加え、日本におけるプラスチック包装容器への再生PET活用を本格化していく意向だ。

プラスチック循環社会に向けた取り組み(出典:花王株式会社)

「リデュースイノベーション」と「リサイクルイノベーション」に基づいて、同社がこれまでに実施したアプローチは以下の通りだ。

リデュースイノベーション

リサイクルイノベーション

花王グループは、今後も同社独自のESG活動を世界展開し、人々の喜びと満足感のある豊かな生活文化を実現すると共に、社会のサステナビリティへの貢献に取り組んでいく意向だ。

【プレスリリース】「アタック ZERO」で100%再生プラスチックのボトルを採用~包装容器への再生プラスチックの活用を日本で開始~
【関連記事】「私」の快適から、思いやりのある「社会」、そしてすこやかな「地球」へ ~花王が取り組むリデュース&リサイクルイノベーション~
【関連記事】花王、プラスチック循環社会の実現に向けて「プラスチックボトルレス化」を推進
【関連記事】花王と京都大学、「使用済み紙おむつの炭素化リサイクルシステム」の実証実験を愛媛県西条市で開始
*冒頭の画像はアタック ZERO。左から順にボトルタイプ・ワンハンドプッシュタイプ・ドラム式専用 ボトルタイプ・ドラム式専用 ワンハンドプッシュタイプ(出典:花王株式会社)

※本記事は、世界のサーキュラーエコノミーが学べるメディア「Circular Economy Hub」花王、「アタック ZERO」で100%再生PETボトルを採用。石油由来プラから転換へより転載された記事です。

The following two tabs change content below.

廣瀬 優香

大学時代にベトナムとカンボジアで行った教育関連の活動をきっかけに、国際協力や環境問題に興味を持つ。大学在学中は化学を専攻し、バイオマスプラスチックについて学ぶ。メーカー勤務ののち、現在はライター・翻訳者として活動。個人ブログ:旅好きのひとりごと https://international-blog.com/