J.フロント リテイリンググループの事業会社である株式会社大丸松坂屋百貨店(以下、大丸松坂屋百貨店)は、ファッションサブスクリプション事業「AnotherADdress(アナザーアドレス)」を3月12日に開始した。
ファッションの大量廃棄を中心とした環境問題が深刻化するなか、同グループは、ビジネスモデル全体をより持続可能な方向に舵を切ることが大きな責務であると捉えている。
そこで、服は使い捨てではないという大丸松坂屋百貨店の信念のもと、ファッションの本質的な価値やサステナブルな取り組みを重視し、社会や環境にとって持続性の高いビジネスモデルへの転換を目指すサービスとしてアナザーアドレスを立ち上げた。大丸松坂屋百貨店にとって、同事業はこれまでの百貨店構造からの転換と持続的な未来を実現するための新たな挑戦の第一歩だとしている。
同事業のコンセプトは、クリエイティブな服が持つ「人を元気に、愉しくする力(ファッションの本質的な価値)と「物で溢れることのない、社会や環境にとっても持続可能な生活スタイル(シンプルに生活すること)を融合させた、新たなファッション体験の創造だ。「洗練されたブランドラインナップ」「お客様⾃⾝が今着たいものを選択できる⾃由さ」をコンセプトに展開するサブスク体験のマーケットは海外で成長しているとし、これを日本でも展開していく構えだ。
アナザーアドレスでは、月額11,880円(税込)で国内外の50ブランド(2021年3月24日時点)のなかから好みのアイテム3着を選び、1カ月間レンタルできる。取り扱いブランド数は今後、事業拡大に併せて増やしていく予定だ。
(出典:株式会社大丸松坂屋百貨店)
ファッションウェブサービスの大きな悩みの一つは、届いた商品のサイズやイメージが異なる場合があることだが、アナザーアドレスでは1回の注文につき1アイテムまで交換でき、気に入ったアイテムは会員価格で購入もできる。
月額料金には、往復の送料やクリーニング、基本的な修繕の料金もすべて含まれる。一般的な使用に伴う擦れ・キズ・汚れについては、月額料金のなかで対応し、いつでも休会・退会の手続きができる。
アナザーアドレスでは、大丸松坂屋百貨店が事業主体者として顧客から注文を受け、環境に配慮した独自の取り組みを推進している3PL(※)・配送・クリーニング・リサイクル事業者と提携して洋服を届ける。加えて、100%ウェブ注文とサブスクリプション型のストックビジネスとすることで、従来の百貨店事業が抱える実店舗依存や、売り切り型ビジネスからのビジネスモデル分散にも挑戦する考えだ。
(出典:株式会社大丸松坂屋百貨店)
パートナー企業は以下のとおりだ。
- 株式会社日立物流(3PL):共同物流の推進など、環境に配慮したグリーン物流の取り組みを強化し、環境対策を推進している日立物流と提携して環境負荷低減に努める
- 株式会社バレル(クリーニング):海を汚さない洗剤の使用を推奨する「洗濯ブラザーズ」が運営するLIVRER YOKOHAMA(リブレヨコハマ)にて、環境に配慮した最善のクリーニングを目指す
- 日本環境設計株式会社(リサイクル):日本環境設計のリサイクルプロジェクト「BRING(ブリング)」に参画し、レンタルできなくなった服をリサイクルして循環型社会形成に向けた活動を推進する
- GWG株式会社(システム開発):米シリコンバレーに拠点を置き、未来につながるイノベーションを共創すべく、スタートアップ企業への投資および新規事業開発支援を行うGWGと提携する
- 株式会社80&Company(システム開発):サステナブルな世界を創造すべく、AI(人工知能)やデータサイエンスなどを活用した社会課題解決に取り組む80&Companyにサイト開発を委託する
なお、会員登録受付はAnotherADdress公式サイトにて行われており、サービスは4月1日から利用できる。
※ 3PL:サードパーティー・ロジスティクスの略で、企業の業務のうち物流部門を第三者企業に委託する業務形態のこと
【プレスリリース】―百貨店が挑む”新たなファッションのかたち”―持続可能な未来に向けた、新たなサブスクサービス「AnotherADdress」2021年3月12日開始!
【参照サイト】AnotherADdress公式サイト
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※本記事は、世界のサーキュラーエコノミーが学べるメディア「Circular Economy Hub」大丸松坂屋百貨店、ファッションサブスクサービスを開始。百貨店構造からの転換を図るより転載された記事です。
廣瀬 優香
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