インドネシアの税務当局は4月1日、暗号資産取引においてキャピタルゲインによる所得税および付加価値税(VAT)をそれぞれ0.1%課すと発表した。課税は5月1日から実施される予定だという。ロイター通信が報じている。
インドネシアでは新型コロナウイルスの大流行から現在まで、暗号資産取引への関心が高まり続けているようだ。インドネシア貿易省の発表によると2021年の暗号資産取引総額は859.4兆ルピア(約600億ドル)にのぼったとのことである。
インドネシアは世界で最も暗号資産保有率の高い国の一つだ。イギリスの比較サイトFinderのデータによると、2021年12月の調査でインドネシア国内の暗号資産所有者の割合は22.4%である。日本は同調査で5.8%であった。
今回の課税について、税務当局のHestu Yoga Saksama氏は「暗号資産は貿易省の定義によると商品であり、通貨ではない。そのため、所得税と付加価値税を課すつもりだ。また現在、政府は税金の施行規則の作成に取り組んでいる。」と会見でメディアに対して発言している。
インドネシアでは、暗号資産を支払い手段として利用することは禁止されている一方、商品として取引することは合法だ。
暗号資産における付加価値税は0.1%の予定であり、これは同国のその他の商品やサービスにかかる付加価値税11%と比較して非常に少ないと言える。また、株式にかかる付加価値税も同じく0.1%に設定されているようだ。
今回の暗号資産に対する課税は2021年10月7日に採択されたインドネシア国税規則調和法を法的根拠としているとのことである。国税規則調和法の目的は税収を増やし、財政の健全化を行うことだ。この税法が可決された背景には、インドネシア政府が新型コロナウイルスの対策を行うために歳出が増加し、財政赤字が深刻化しているという状況がある。国税規則調和法により、4月1日から付加価値税が10%から11%に引き上げられていた。また、25年には12%に引き上げることも予定されている。
【参照記事】Indonesia to impose VAT, income tax on crypto assets from May | Reuters
株式会社techtec リサーチチーム
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