米ホームセンター大手ホーム・デポ(ティッカーシンボル:HD)の非営利部門ホーム・デポ財団は11月10日、2030会計年までに退役軍人を対象として7億5000万ドル(約1,100億円)拠出することにコミットすると発表した(*1)。この資金を活用し、主にアフォーダブル・ハウジング(安価な価格の住宅)問題に焦点を当て、約5万人の退役軍人にポジティブインパクトをもたらす狙いがある。
ホーム・デポ財団は、米国の退役軍人の住宅と生活の改善を図るほか、自然災害の影響を受けた地域社会を支援する。労働力不足を補う次世代の熟練工を育成するべく、28年までに5,000万ドルを拠出することにもコミットする。
11年以来、11月11日のベテランズ・デー(退役軍人の日)を記念した退役軍人のための活動への拠出額が5億ドルを突破し、2年前倒しで前回の公約を達成した。ホーム・デポ財団、非営利パートナー、ホーム・デポのボランティア団体Team Depotは、今回、新たに追加拠出する2億5,000万ドルの資金を活用し、未だに手頃な価格で信頼できる住居を持つことの出来ていない退役軍人のための活動を強化する。
Housing Assistance Council(HAC)によると、退役軍人が所有する住宅のほぼ4分の1(約176万戸)が築60年以上経過しており、160万世帯の退役軍人が、家に入ることや台所、寝室、浴室へのアクセスが困難になっているという(*2)。
さらに、米国住宅都市開発省(HUD)によると、3万3,000人以上の退役軍人がホームレス状態にある(*3)。そのような中、ホーム・デポ財団は国や地域の非営利パートナー・ネットワークへの資金援助を通じ、退役軍人の住宅費を削減し、彼らが住宅にアクセスできるよう支援することで、これらの問題に取り組むことに重点を置く。
今回の資金拠出の一環として、国際NGOハビタット・フォー・ヒューマニティなど、退役軍人のための住宅問題に取り組む非営利パートナーに1,400万ドルの助成金を支給する。これにより、今後1年間で退役軍人のために800戸以上の住宅修繕や500戸以上の住宅を提供するほか、負傷した退役軍人のために住宅ローンのないスマートハウス5棟の建設を支援する方針だ。
また、11月20日まで実施される毎年恒例のオペレーション・サプライズ・キャンペーンを通じ、3世帯の退役軍人の家族が抱える住宅ローンの完済などを通じ、彼らが住み慣れた場所で年を取り、世代を超えた富を築いていくことを支援する。
米国では不動産業界の各社が、ベテランズ・デーに合わせ、退役軍人の住宅や生活の質改善に繋がる取り組みが恒例化している。例えば、住宅メーカーのパルトグループは、10周年目を迎えるBuilt to Honorプログラムを通じ、今年は10世帯の退役軍人に住宅ローン免除の住宅を贈呈する予定だ。帰還兵がしばしば直面する最大の課題の一つである住宅問題に取り組む。
【参照記事】*1 ホーム・デポ「THE HOME DEPOT FOUNDATION SURPASSES $500 MILLION INVESTED IN VETERAN CAUSES, COMMITS $750 MILLION BY 2030」
【参照記事】*2 Housing Assistance Council「SELECTED VETERAN HOUSING CHARACTERISTICS」
【参照記事】*3 米国住宅都市開発省「New Point-in-Time Data Reveals Decrease in Veteran Homelessness」
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