米証券取引委員会(SEC)理事の「クリプトママ」ことHester Peirce氏が、DeFiを支持する意見を主張したと、米暗号資産メディアThe Blockが6月23日に報じた。DeFiへの強硬的な姿勢をみせる規制当局に対して、懐疑的な見方を強めている。
23日に実施されたバーチャルカンファレンスで、Peirce氏はDeFiの活動の多くを支持していることを主張した。また、SECがDeFiに対してICOへの規制を元にアプローチを進めていることへ懐疑的な意見を述べている。
「強硬的な構えを元にしたアプローチには賛同できません。従来の規制を元に考えるのではなく、DeFiにおける特定のシーンを想定することが私たちの仕事です。」と同氏は主張したという。また既に明白なこととして、たとえ分散型のプラットフォームだとしても実際に管理者がいるようなプロジェクトであれば、証券取引法が適用されるはずだと述べている。
米国の規制では、資産価値をコントロールできる管理者が存在する場合、その資産を証券として定義する。そのため、これまで暗号資産が証券に該当するか否かについては、当該資産に実質的な管理者が存在するかが判断基準となっていた。DeFiは、金融サービスから管理者を排除することを目的としている。
The Blockは、多くの規制当局は、規制を適用する際に管理者の存在に依存することになるため、DeFiにおける管理者を排除する動きを懸念しているという。つまり、DeFiプラットフォームの規制を誰に適用するかといった問題が浮上しているのだ。Peirce氏は、これについて次のように見解を示している。
「管理者を排除することは、ユーザーのデータが乱用されたり独占禁止法に抵触する大手テクノロジー企業への依存を解消することに繋がります。DeFiにより、ユーザーヘ安全な代替手段を提供することができるでしょう。」
同氏はさらに、「私が不満に思っていることは、委員会での議論の多くが強硬的な姿勢によるものだということです。強硬的な姿勢ではなく、建設的な議論を元に規制を整備していかなければなりません。」と述べてカンファレンスを締めくくった。
【参照記事】SEC commissioner Hester Peirce argues in favor of DeFi’s promise of disintermediation
株式会社techtec リサーチチーム
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