2019年6月8から9日に福岡で開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議で、仮想通貨のマネーロンダリングやテロ資金供与を阻止するための新規制案が合意される見通しだ。4月4日、各メディアが報じている。
これまでも6月のG20で仮想通貨の規制方針が策定されるとされてきたが、今回あらためて新規制案に合意することが報じられた。仮想通貨はブロックチェーン技術によって、高い透明性と改ざん耐性をもちながら、第三者を介することなく価値の移転を行うことが可能だ。第三者を介することがない「非中央集権」と呼ばれる特徴をもつ仮想通貨は、国境を超えた送金であっても従来より低コストかつスピーディーに実現することができる。こうした利便性の一方で、仮想通貨は匿名性の高さからマネーロンダリングやテロ資金供与への悪用も懸念されてきた。G20では、取引時の本人確認の厳格化などを明確にし、資産の流れを透明にすることが軸となる。
2017年から2018年にかけ、北朝鮮は仮想通貨取引所にサイバー攻撃を行い、5億米ドルを超える仮想通貨を奪ったことが報じられている。国連安全保障理事会の専門パネルの報告書によると、2018年初頭のコインチェック社の顧客資産流出にも同国が関与しているという。今回の新規合意の背景には北朝鮮の経済制裁逃れを封じる狙いもあるとされている。
G20に先立ち、G20で議長国を務める日本は仮想通貨交換業者や仮想通貨取引に関する規制強化策を盛り込んだ、金融商品取引法と資金決済法の改正案を閣議で決定している。仮想通貨普及のためにも規制の強化は必要不可欠だが、同時に技術革新の芽を摘むことなく適切な規制が敷いていけるかも鍵となる。仮想通貨市場市場の健全化は進んでいくのか、注目していきたい。
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立花 佑
自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。
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