欧州投資基金(EIF)が、暗号資産特化型ファンドFabric Venturesの新ファンドへ資金提供したことが7月30日にわかった。EIFが暗号資産関連ファンドへ資金を提供するのは初めてのことだという。
Fabric Venturesの新ファンド「Fund 2021」は、EIFなどからの調達により1億3,000万ドルの資金を集めることに成功した。EIFに加えて、GoogleやPayPal、DCG、Galaxy Digital、Squareといった著名企業が今回の資金提供者として名を連ねている。このうち、EIFだけで3,000万ドルを拠出しており全体の23%を占めた。
EIFは、欧州連合(EU)における中小企業への融資などを担当する専門機関だ。今回の資金提供により、暗号資産・ブロックチェーン領域でも支援を行なう。
ルクセンブルクに拠点を持つFabric Venturesは、2013年の創業以来CoinbaseやAxie Infinity、Polkadot、Decentraland、Messari、Sorare、The Graphなどに投資を行なってきた。新ファンドの組成に際しては、2019年よりEIFとの議論を続けてきたという。EIFの最高責任者を務めるAlain Godardは次のように述べている。
「私たちはFabric Venturesを通して、暗号資産・ブロックチェーンにおける欧州市場に資金を提供できることを嬉しく思っています。欧州のブロックチェーン起業家たちは、優れたエンジニアリング能力を有しているにもかかわらず、資金面でのサポートやその分野を深く理解している投資家を見つけるのに苦労することがよくあります。今回の資金提供はこのようなニーズに応えるためのものであり、EUが世界における競争力をつけることに貢献できれば幸いです。」
Fabric Venturesは、ビットコインやイーサリアムの時価総額が10年の歳月をかけて1兆ドルへ到達したことにより、ゴールドマンサックスやテスラといった著名企業が市場に参入する結果になったとコメント。今後は、「オープンウェブ」や「オープンファイナス」といった領域でさらなるイノベーションが創出されるとビジョンを語った。
株式会社techtec リサーチチーム
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