フィンテックスタートアップDoconomy、シリーズBで58億円調達。サステナブルチョイスを支援するソリューション拡大へ

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フィンテックスタートアップDoconomyが、シリーズB(資金調達ラウンド)で3,400万ユーロ(約58億円)を調達した(*1)。調達した資金を元手に、北米での事業拡大とサステナブルチョイスを支援するソリューションの拡大を図る。

今回の投資ラウンドは、スイスの金融大手UBS傘下にてアーリーステージ(起業前後)のフィンテック企業などに投資するUBS Next、独コメルツ銀行のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるCommerzVenturesが主導した。米格付け会社S&Pグローバルやフィンテック企業への投資に特化した投資会社Motiveなども参加した。

Doconomyによると、金融機関にインパクトをもたらすフィンテック分野では欧州最大級の資金調達規模になる。

同社は2018年にスウェーデンで設立されたフィンテックスタートアップだ。ボストン・コンサルティング・グループ、マスターカード、S&Pグローバル、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)などと協力し、金融取引に関連する気候変動コストを算出している。

Doconomyのツールの1つであるAIand Indexは、銀行向けのクラウドベースのインパクト関連ソリューションとなる。顧客がクレジットカード決済などすべての取引における二酸化炭素(CO2)排出量を測定するのに役立ち、家計と地球のために最善の決断ができるよう支援する。同ツールは、40か国超で金融機関100社以上に利用されている。

世界中の多くの消費者が、生活のあらゆる場面でよりサステナブルな商品やサービスを求めている。金融機関が持続可能な生活や消費生活において重要な役割を担う中、同社のソリューションへの需要拡大が期待される。

Doconomyのマティアス・ウィクストロム共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は「私たちのユニークなソリューションは、利用者がよりお金と気候に配慮するよう支援するとともに、銀行がポジティブインパクトをもたらすために、顧客をよりよく理解してエンゲージメントを強化することで、銀行の収益も拡大させる」と述べた(*1)。

気候フィンテックは、金融テクノロジーのニッチな分野である。世界各国の政府が企業にESG(環境・社会・ガバナンス)目標の達成や事業活動に伴うCO2排出量の削減を求める中、投資家から注目を浴びている状況だ。

UBSのチーフサステナビリティオフィサー(CSO)を務めるマイケル・バルディンガー氏は、UBS NextのDoconomyへの投資は「顧客が投資について十分な情報に基づいた選択をおこない、彼らが望む変化をもたらすために必要なデータと実用的な洞察を提供することに注力していることを強調するものだ」と述べた(*1)。

【参照記事】*1 Doconomy「DOCONOMY ANNOUNCES THE CLOSURE OF ONE OF EUROPE’S LARGEST FUNDING ROUNDS IN THE SECTOR

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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