第一生命、ESG投資の基本方針策定。社会課題解決向け投融資の累計投資額を2023年度までに倍増以上に

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第一生命保険株式会社は4月22日、「第一生命のESG投資の基本方針」を公表した。①中長期視点で幅広い資産を保有する「ユニバーサル・オーナー」として、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資を資産運用の柱として位置づけ、運用収益の獲得と社会的解決の両立を目指す②“第一生命らしい”ESG投資として「ポジティブ・インパクトの創出」「エンゲージメント(投資先企業との対話)に力点を置いた取り組みを推進する」を基本とした。

そのうえで①全資産の運用方針・運用プロセスにESGを組み込む(2030年度完了目標)②同社が設定する重点的な社会課題の解決に向けた投融資(2023年度までに累計投資額を倍増以上)③投資先企業のESG取り組み促進に向けたスチュワードシップ活動の3点を目標に掲げた。

全資産の運用方針・運用プロセスにESGを取り込むための施策として「運用収益獲得と社会課題解決を両立する資産ポートフォリオの構築」を進める。各資産の運用方針やポートフォリオ構築プロセス、社内投融資ランクへのESG要素組み込みにより、全資産で気候変動リスクなどを踏まえた投資判断を実施。ESGリスクの低減・機械の収益化を通じ、中長期的なポートフォリオのレジリエンス(強じん性)を強化する。また、社会の持続可能性の観点から、高いリスクを有するセクターへの投融資(特定の兵器製造企業、国内外の石炭火力発電、石炭採掘事業)を禁止する。

一方、重点的な社会課題の解決に向けた投融資では、グリーンボンド、ソーシャルボンドなどSDGs(持続可能な開発目標)債や国内外の社会インフラ整備に資するSDGs事業などに積極的に投融資を行い、革新的なイノベーションの創出に向け、成長企業・ベンチャー企業への投資(インパクト投資)を拡大する。重点的な社会課題として、パンデミック対策、貧困撲滅、格差是正などの「QOL向上」、再生可能エネルギーの普及など低炭素社会への移行促進や革新的環境イノベーションの社会実装を支援する「気候変動の緩和」、「地域創生・地域活性化」の3項目を掲げる。併せて、社会的インパクトのモニタリング手法を確立し情報開示を強化していく。

スチュワードシップ活動では、エンゲージメント(積極的対話)を通じて社会課題解決に向けた企業の取り組みや行動変容を後押しする。エンゲージメントの主要テーマとして「ESG取り組み」を設定し、投資先企業のESG課題に応じた情報提供や解決策の提案を実施する。また、気候変動の緩和に向け、企業の取り組みの促進、気候変動がもたらす財務インパクトを含めた情報開示を促すほか、国内外の協働エンゲージメント団体やイニシアティブなどへも積極的に参画する。

同社の社会課題の解決に向けた投融資実績は2019年度末で約5500億円。

【参照リリース】第一生命:「第一生命のESG投資の基本方針」の策定について~「一生涯のパートナー」として資産運用を通じた持続可能な社会の実現に貢献~

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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