米大手暗号資産メディアThe Blockは12月22日、2021年の暗号資産関連ベンチャーの資金調達総額が250億ドルを超えていることを明らかにした。2021年に暗号資産業界では1,700件以上の投資案件が成約され、これらのプロジェクトやプロトコルに約251億ドルの資金がもたらされた。
下図は、各年ごとの暗号資産関連企業への合計投資額を比較した表だ。2020年と比較すると、投資案件数は前年比126%増、資金調達総額は前年比719%増となっており、2021年はこれまでになく暗号資産業界に注目が集まった年であることがわかる。
2021年の暗号資産業界への大きな投資により、暗号資産業界からもユニコーンと呼ばれる企業が複数誕生している。ユニコーンとは、評価額が10億ドル以上かつ設立10年以内の非上場のベンチャー企業を指す。
The Blockによると、2021年中に少なくとも65社がユニコーン企業となっている。この数は、2年前と比較すると491%増となるようだ。
直近では、グローバルに展開する暗号資産取引所FTX、ブロックチェーン用のAPIを提供するAlchemy、暗号資産の税計算を簡素化するソフトウェアを提供するTaxBit、ブロックチェーン分析ツールを提供するDune Analyticsがユニコーン企業となった。
その他にも大手暗号資産取引所バイナンスやその米国支社など、他の有名企業も数億ドルの評価額で資金調達を行っているという。
また、暗号資産業界のM&Aも2021年に急増した。2020年では、関連するM&Aは85件であったのに対して、2021年は12月20日時点で197件のM&Aが成立している。M&A件数の増加に伴い、M&Aの取引額も大きく拡大した。今年のM&A取引額は60億ドルを突破し、前年比で730%の伸びを示している。
こうした暗号資産業界への投資増加の背景には、暗号資産の価格上昇がある。暗号資産の価格上昇により、暗号資産取引所が利益を出し、その利益を暗号資産業界へ再投資する動きが活発化している。
【参照記事】Crypto companies raised just over $25 billion in venture funding during 2021
株式会社techtec リサーチチーム
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