世界54か国に拡大している仮想通貨(暗号資産)ビジネスは、金融活動作業部会(FATF)が制定する基準を満たすために、顧客確認(KYC)のルール遵守に取り組んでいる。だが、アフリカでは、仮想通貨ビジネスを展開するためのマネーロンダリング防止(AML)およびテロ対策資金調達(CTF)規制がいまだ敷かれていない地域も存在する。8月3日、暗号資産ニュースメディアCoindeskが報じている。
こうした状況の中にあっても、電子規制が標準化されてないアフリカの一部地域では、KYCやブロックチェーン解析を使いマネーロンダリングを阻止しているという。2013年、昨年社名をAZAに変更したケニア拠点の決済サービスBitPesaは、2015年に金融行動監視機構 Authority(FCA)からライセンスを取得した後、送金会社を買収している。このようなスタートアップビジネスにおいても、中央銀行や政府に直接連携してライセンス作成を行うのが通例となっているようだ。
CryptobarazaのCEO、Michael Kimani氏は、国による取り締まりを待つのではなく、ケニアのブロックチェーン協会で規制プロセスを進行させたいと話す。これまでにアフリカには、Googleが関与するバス利用者のプリペイドカードBebaPayや、ボーダーフォン提携のモバイル決済M-pesaなどが参入している。しかし海外からのプラットフォームはどれも成功していないという。
ナイジェリアなどでは、送金だけでなく投資や仮想通貨取引の需要も高まっている。アフリカで展開されるP2Pサービスには、LocakBitcoinsなどの暗号資産P2P取引と既に広く知られるTelegramやWhatsAppを使用した個人間送金サービスの2つがある。Kimani氏は、暗号資産に関わる人々がこうした後者のような既存サービスから学べることが多いことも指摘している。
暗号資産のニーズが急速に拡大する中、AMLやCFT、さまざまなリスクに対応できる規制整備は急務だ。同氏は、アフリカの多様で複雑な市場に適応した独自のガイドラインを作成する必要があり、現在約15の仮想通貨規制について法案の提出を予定していると述べた。
【参照記事】Where FATF Crypto Compliance Gets Interesting: Africa

HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム

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