エルサルバドルのビットコインウォレット「Chivo」が、人口の約30%で利用されていることがわかった。ブケレ大統領が9月26日に明らかにしている。
9月7日よりローンチされたウォレットアプリChivoだが、わずか3週間でエルサルバドル国民210万人に利用されているようだ。エルサルバドルの人口は約645万人のといわれており、すでに全体の30%ほどが利用していることになる。
ブケレ大統領によると、この数字はアプリのダウンロード数ではなく、ユーザー数になるという。モバイルアプリの場合、1人のユーザーが複数回ダウンロードを行うことがあるため、ダウンロード数とユーザーには乖離が生じる。
特筆すべきは、210万人という数字がエルサルバドル国内のどの銀行よりも多くの利用者を獲得していることを表している点だ。ブケレ大統領は、Chivoのユーザー数がエルサルバドル全ての銀行における利用者数を上回ることを目標にして動いているという。
エルサルバドルでは、9月7日よりビットコインが法定通貨として流通されており、取り扱うための専用ウォレットChivoが国民に配布されている。Chivoの利用は任意となっているが、ユーザーはダウンロードすることで30ドル相当のビットコインを無料で受け取ることが可能だ。
Chivoでは、長らく法定通貨として利用されてきたドルをビットコインに換金する機能も実装されている。エルサルバドル政府は、国民への無料配布などを目的にビットコインを購入しており、今後はChivoだけでなく街中に設置されたATMでも引き出せるよう整備を進めていくという。
一方で、エルサルバドルの取り組みには一定の批判や懸念も寄せられている。ウォレットプロバイダのBlockBankの運用責任者を務めるNolvia Serrano氏は、暗号資産メディアDecryptの取材に対して、「エルサルバドル政府の所持するビットコインの秘密鍵を誰が管理しているのかが不透明だ」と指摘した。
秘密鍵の管理方法を明らかにしないことには、関係者がビットコインを持ち逃げする可能性があるといえる。エルサルバドルでは、国民の67.9%がビットコインの法定通貨化に反対しているとの調査結果も出ている。
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【参照URL】https://twitter.com/nayibbukele/status/1441846960332361730
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