世界各国の中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)のプロジェクトはすでにテスト段階まで進めているという。8月15日付けでBitcoin.comが報じている。
デジタル通貨プロジェクトを遂行しているのは、中国、シンガポール、カナダ、バハマ、タイ、ウルグアイ、スウェーデン、インドなどの国々だ。インドでは、暗号通貨法案の草案にデジタルルピーも含めている。
報道によると、PBOC(中国人民銀行)は8月10日、黒竜江省で開催されたフォーラムで「独自デジタル通貨を発行するほぼ準備ができた」と発表している。MAS(シンガポール金融管理局)とBOC(カナダ銀行)はCBDCを使用したクロスボーダー決済実験を行っている。その他の国々でも実証実験が実施される中、インド政府は諸国と異なる対応を進めている。インドでは、暗号通貨の禁止および公式デジタル通貨法案の規制という内容の草案について審議を進めており、デジタルルピーを発行して中央政府認証の法定通貨にする思惑があるという。
各国の中央銀行がCBDCを検討する背景には、コストの削減、金融政策実施の効率性向上、暗号通貨への対抗、決済市場の競争力の確保、安全な決済ソリューションの提供などが主な理由として挙げられる。Facebookが関わるデジタル通貨「リブラ」の発表もCBDCプロジェクトに拍車をかけているという意見もある。一方で、いまだにデジタル通貨の必要性を見いだせないとする見解は根強い。今後の進捗が注目される。
【参照記事】Central Banks Worldwide Testing Their Own Digital Currencies
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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