ブルックフィールド、第2号脱炭素ファンドで1.5兆円調達。同カテゴリーで世界最大の私募ファンドになる見通し

カナダの投資ファンドのブルックフィールド・アセット・マネジメントは2月5日、ネットゼロ社会への移行に特化した投資ファンドの第2号案件のファーストクローズで100億ドル(約1兆4,900億円)の出資を集めた(*1)。同カテゴリーで世界最大の私募ファンドになる見通しだ。

同ファンド「ブルックフィールド・グローバル・トランジション・ファンド(BGTF II)」は、元イングランド銀行総裁のマーク・カーニー氏とコナー・テスキー氏が共同ヘッドを務める。高いリスク調整後リターンを提供しながら、世界のネットゼロ社会への移行を加速させる投資に焦点を当てている。

クリーンエネルギーの拡大、持続可能なソリューションの加速、炭素集約型産業で事業を展開する企業のサステナブルなビジネスモデルへの転換に投資する前身ファンドの戦略を引き継ぐ。

シードポートフォリオには、英国の陸上再生可能エネルギー開発企業やインドの太陽光発電開発パートナーシップが含まれている。ブルックフィールドは、BGTF IIの資金調達額を前身ファンドよりも大きくすることを目標としており、世界的に移行機会が大幅に加速すると見ている。

BGTF IIの前身ファンド「ブルックフィールド・グローバル・トランジション・ファンド(BGTF I)」は、150億ドルの資金を集めてクローズし、同様のファンドとしては世界最大規模となった。BGTF Iは、サステナブル電力、炭素回収・貯留(CCS)、再生可能天然ガス(RNG)、原子力サービスなどに投資している。

全ての投資案件は、科学的根拠に基づくネットゼロのセクター別パスウェイに沿って管理され、回避された排出量で測定されるBGTF Iの総影響は、ニューヨーク、ロンドン、トロントの合計年間排出量を上回る勢いだ。

テスキー氏は「脱炭素技術に対する企業の需要は、今やトランジション・ファイナンスの主要な原動力となっており、大きな経済的価値と環境ベネフィットをもたらしている。また、急成長するデータ・テクノロジー分野への信頼性の高いクリーン電力の供給、全く新しい産業サプライチェーンの構築、産業の脱炭素化に必要な技術の拡張など、新たなトレンドも生まれている」と述べた(*1)。

【参照記事】*1 ブルックフィールド・アセット・マネジメント「Brookfield Announces $10 Billion First Closing for Second Brookfield Global Transition Fund

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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