ブルームバーグは6月27日、投資ポートフォリオのサステナビリティ特性を測定、管理、報告するのに役立つ新しいツールをリリースした(*1)。欧州連合(EU)のサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)関連データやカーボンフットプリントなどにアクセスできるようになり、サステナブル投資の促進に寄与する。
同ツールは、ブルームバーグのポートフォリオおよびリスク分析ソリューションとして広く利用されているPORTとPORTエンタープライズからアクセスできる。
PORTは、ブルームバーグ端末のユーザーなら誰でも利用可能なポートフォリオ分析ソリューションとなる。全世界で15,000社、47,000人のアクティブ・ユーザーを有する。
PORTエンタープライズは、650社超の企業クライアントが利用するポートフォリオ・リスク分析のプレミアム・サービスである。エンタープライズ向けにカスタマイズされ、高度なリスクとリターンのアトリビューション(要因分析)機能を提供し、バッチモードのレポーティング機能も強化されている。
サステナブル投資戦略の多様化と規制枠組みの進化に伴い、投資家は十分な情報に基づいた意思決定を行い、マンデートを満たし、当局の報告要件を遵守しなければならない。そのような中で、サステナビリティ・ツールを含むポートフォリオ管理ソリューションを必要としている状況だ。
このニーズに対応するため、PORTとPORTエンタープライズは、SFDRで義務付けられている主要なESG(環境・社会・ガバナンス)指標にアクセスできるようになった。13万社を超える世界の上場・非上場企業の温室効果ガス(GHG)排出量、企業のパフォーマンスと情報開示の評価に使用されるブルームバーグ独自のESGスコアなど、同社の高品質で透明性の高いESGデータセットも組み込んでいる。
PORTの新しいESG専用画面により、ユーザーは各保有銘柄の詳細なサステナビリティ・データを使用して、ポートフォリオ、ファンド、インデックスを簡単に比較することができる。ESG目標に沿わない保有銘柄やポジションを特定し、トレンド分析を行うことも可能だ。
PORTエンタープライズのレポーティング機能が拡張され、カスタマイズ可能なサステナビリティ・レポートに加え、欧州証券市場監督機構(ESMA)のテンプレートに従って標準化されたSFDRレポートも含まれる。
ブルームバーグのESGインテグレーション・アナリティクスのヘッドを務めるスージン・リー氏は「機能が拡張されたPORTにより、投資運用プロセス全体にわたってデータの一貫性を確保するため、顧客は標準化された報告書テンプレートにアクセスしたり、PORT エンタープライズ機能を使って独自の報告書を作成したりすることもできる」と述べた(*1)。
【参照記事】*1 ブルームバーグ「Bloomberg Introduces Sustainability Tools into its Portfolio and Risk Analytics Solutions」
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