7月に約30億円相当の仮想通貨の不正流出事件を起こした仮想通貨交換業者ビットポイントジャパンは9月27日、事件の遭った7月12日以来停止していた仮想通貨の送付(送金)サービスを9月30日14時頃に再開した。
同社の公式サイトによると、仮想通貨の送付について同社コールドウォレットから各送付先アドレスに対して送付をするとしている。また、各営業日の16時までに受け付けた送付依頼を、翌営業日以降(土日祝を除く)に送付手続きを行う。仮想通貨の送付は取引Webからのみで、ウォレットアプリからの送付はできない。また、仮想通貨の預け入れについては未発表だ。
今後の同社の対応については、安全性を第一にしながら可及的速やかにサービスを再開し、顧客からの信用回復に努めるとしている。同社は事件以来、不正流出の原因追求、被害拡大防止策及びリカバリー対策の実施、再発防止策の検討・実施に取り組み、段階的に各種サービスを再開している。すでに法定通貨の入出金サービス、レバレッジ取引・MT4取引・現物取引は8月に再開されており、事件発生直後、サービス停止に伴う不利な価格での成約処理に対しては、9月12日に金銭で顧客に返金された。
今回、同社の仮想通貨が不正流出した原因は、ウイルス対策ソフトで検知されないウイルスの感染と、ホットウォレット内で管理されていたことにある。これを受け、自主規制団体である日本暗号資産取引業協会は、可能な限り仮想通貨をコールドウォレットで管理するよう各社に要請しているという。ハッカーから仮想通貨を確実に防衛するためにはすべての仮想通貨をネットから切り離した管理にするしかないが、仮想通貨交換業というビジネスにおいてそれは現実的には難しいことも事実だ。
【参照記事】仮想通貨の送付(送金)サービスの再開予定について
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立花 佑
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