先週末のマーケットはECB以降の下落ムードが継続。米国株は続落しており、イギリスFTSEやドイツDAX等欧州株式市場も下落している。
日経平均株価は先物ベースで27,000円台前半まで早いピッチで下落してきており、足元の防衛費捻出のための増税の話が出てきたことや、週末には岸田総理が日本銀行と共同声明を発表し、現在の物価上昇の目標を柔軟にするということを示唆したことから、日本株の上値は重くなりやすいと言えるだろう。
米国ではサンフランシスコ連銀のデーリー総裁も物価安定目標にはまだまだ道のりが長いとコメントしており、現在予想されているターミナルレートの5.1%以上に引き上がる可能性を示唆している。
前回のFOMCにおけるパウエル議長の発言や、高官の発言から見ても足元の株式市場の上昇はまだ早いと考えているような雰囲気も出ている。これはアメリカ国民は株式で資産を保有している割合が多く、株式市場の上昇はそれだけインフレ抑制を遅らせる要因となるためだ。現在実質金利も高止まりしたままとなっており、足元の株式市場の下落は上記の背景によるものと推測している。
実質金利が高止まりする間は株式市場の上値は重くならざる得ないと考えており、FRBが労働市場の需給をチェックしている以上は、この労働市場の賃金動向が収まってくるかどうかが今後の大きなポイントとなるだろう。イメージとしては年明けまでは株式市場は下落方向で推移し、3月あたりまでに底を打ち、後はインフレ動向次第で決まるのではないか。
米国金利が低下している中、為替市場ではドル円は137円台から136円台まで再度下落してきているが、米国の短期的なタカ派姿勢がショートカバーを誘発する可能性があるため、そのフローは注意したい。しかしドル円は上昇したところは絶好の売場となる視点は変えていない。
また為替ではECBとBOEの金融政策のスタンスが変化してきており、ECBはタカ派であることに対して、BOEは若干ハト派姿勢を強めているため、EURGBPは積み増すいい機会になるのではないかと捉えている。
コロナの感染拡大している中国ではコロナ対策を全面撤廃する方向で動いているようで経済対策を急いでいるとの報道が出ている。
仮想通貨市場は続落。株式市場が大幅下落する中で仮想通貨市場も連れ安となり、ビットコインは16,000ドル台後半まで下落してきている。
市場が重苦しい雰囲気なのは特に変わっておらず、取引高が急減している状況なことから、春あたりまでは現在の雰囲気が続くのではないかと見る向きも多い。
ディーカレットの親会社であるAmber Groupが資金調達を行っており410億円の調達を行った。またFTXの4事業が売却されるとの報道が出ている。
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中島 翔
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