先週末のマーケットは株式市場が上昇。
足元のCPI逆ショックとも言える動きで上昇し続ける中、短期的な株式市場の急騰を懸念したFRB高官が相次いでタカ派的な発言を出しているものの、市場はそこまで気にしていない様子なのか株式市場の堅調な展開が続いている。
ブラード総裁が最低政策金利を5%-5.25%まで引き上げる発言を行ったり、カシュカリ総裁も需要を均衡させるためにどこまで政策金利を引き上げるべきなのか議論する余地があるとも発言する等、一旦市場のハト派期待を低下させたい思惑を感じるような発言が相次いでいる。
市場としてはこの政策金利が5%から5.25%というのは既に織り込み済みでもあるためそこまで反応していないのではないかと考えられ、また時期的に11月下旬となり足元米国株が下落すると考えていた投資家のショートカバーのフローが根強いことから株式市場は堅調となっているだろうと推測される。
現在市場の利上げ織り込みも12月は0.5%となっており、2月のFOMCでもわずかに0.5%の利上げが0.25%を上回っている状況。
若干足元の高官のタカ派発言が織り込まれているとは言えるが、市場を冷やすほどの効果はなく、投資家はその先の利下げか株式市場の持ち直しを予測して動いている印象。
筆者としては短期的な調整は不可欠と考えており、高インフレが抑制されることが確定されているわけではないことから、現状の短期的な上昇は年末までに一旦落ち着くと想定しており、調整した後に株式市場に投資をする方が懸命だろう。
昨日はアメリカの中古住宅販売件数が発表され減少傾向が続いていることが確認された。しかし住宅金利は11月をピークに低下傾向が見られるため、ここからもしかしたら住宅市場は回復する可能性があると想定されるが、すぐに反転上昇というわけにはいかないだろう。
オランダの中銀総裁は現在のEUのインフレ率が高すぎることを懸念して景気悪化を懸念して利上げを遅らせるのはよくないという意見を出しており、二桁台でインフレ率が推移している中、コアインフレ率も収まる動きにはなっていないことから、ECBの利上げはアメリカよりももしかしたら早まる可能性があることは留意したいところ。
この場合はユーロドルのロングがワークする可能性があるため、現在パリティを超えて上昇トレンドに入ることから、タカ派的な発言が市場で織り込まれ、短期的にドル高に推移してユーロドルが下落する動きが出たタイミングで押し目買いを行いたいと考えている。
仮想通貨市場はメジャー通貨に動向がない中、ワールドカップを控えファントークン関連のチリーズ等が上昇しており、他にもポルトガルのPORやアルゼンチンのARGが上昇。
ビットコインは16,000ドル台をウロウロしており、特に変動はないものの、流石にFTXの事件の影響がどのように落ち着くのか波及を見守っている状況か。
香港の仮想通貨OTC事業者Genesis BlockHKがトレーディング事業を停止すると発表しており、今後どのような業者が追い込まれていくのかというフェーズに入っている。FTXの影響で強気で買っていくフローは見られず、どちらかといえば下方向で見ている投資家が多い状況。
ニュースとしてはカルダノがUSDAというステーブルコインを発行することを公表している。
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中島 翔
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